セッション情報 一般演題

タイトル 23:

長期間のインターフェロン療法にて完全著効となったC型肝硬変の1例

演者 田中 寛人(和歌山県立医科大学附属病院 紀北分院 内科)
共同演者 山根木 美香(和歌山県立医科大学附属病院 紀北分院 内科), 中西 一郎(和歌山県立医科大学附属病院 紀北分院 内科), 小河 健一(和歌山県立医科大学附属病院 紀北分院 内科), 上谷 光作(和歌山県立医科大学附属病院 紀北分院 内科), 佐藤 博明(和歌山県立医科大学附属病院 紀北分院 内科), 佐々木 秀行(和歌山県立医科大学附属病院 紀北分院 内科), 有田 幹雄(和歌山県立医科大学附属病院 紀北分院 内科)
抄録 C型肝硬変に対するインターフェロン療法は、投与量によっては副作用出現による治療の完遂が困難である。今回、我々は難治性C型肝硬変患者に対しインターフェロン療法を行ったが、副作用発現に対してインターフェロン量やリバビリン量の調節投与を行い、長期間に投与することで完全著効(SVR)が得られた症例を経験したので報告する。症例は、52歳、男性である。AST 125IU/L、ALT 178IU/L、血小板7.3万で肝硬変と考えられた。HCVウイルス量は5.7LogIU/ml、セログループは、1で難治性C型肝硬変と判断した。年齢も若く、本人の希望もあり、平成22年6月からペグインターフェロンα2b 30ugとリバビリン800mgで治療を開始した。血小板の低下があるも治療は続行した。4ヶ月目では、顔面への発疹が出現し、リバビリンを中止したが、ウイルス量は2.0LogIU/mlへ低下していた。同時にトランスアミナーゼも低下していたが、8ヶ月目には、AST 46IU/L、ALT 58IU/L、ウイルス量は、3.5LogIU/mlへと増悪、その後トランスアミナーゼは100IU/Lまで増悪した。ペグインターフェロンα2bは48ugで継続できていたが、ウイルス量、肝障害は、ほぼ治療前に戻っていた。発疹もある程度落ち着いていたところから、12ヶ月目からリバビリン400mgで再開した。14ヶ月目には、トランスアミナーゼは正常化し、ウイルス量は1.3LogIU/mlへ低下した。15ヶ月目にはHCVRNAは消失し、血小板は、9.3万/ulへと改善した。その後、ペグインターフェロンα2b50ugとリバビリン400mgで33ヶ月間治療を続行し、その6ヶ月後にSVRを得た。血小板の低下、発疹などの副作用を認めたが、インターフェロン量やリバビリン量の減量などで対処することで約33週間もの長期にわたる治療が行え、SVRを得た症例を経験できた。副作用出現例でも治療の工夫をすることでSVRに導くことができうると考えられた。
索引用語 肝硬変, インターフェロン