セッション情報 一般演題

タイトル 07:

直腸癌多発肺肝転移に対しUFT/LV療法でCRが得られた1例

演者 竹内 庸浩(川崎病院 消化器内科)
共同演者 田中 さゆり(川崎病院 消化器内科), 青木 領太(川崎病院 消化器内科), 西田 悠(川崎病院 消化器内科), 野村 祐介(川崎病院 消化器内科), 前田 哲男(川崎病院 消化器内科), 多田 秀敏(川崎病院 消化器内科), 田村 孝雄(近畿大学内科学腫瘍内科部門)
抄録 72歳女性。2007年9月より排便時に血液が混じるようになり、10月当院受診した。大腸内視鏡で、直腸S状部に1型および2型腫瘍を認め、生検にて高分化型管状腺癌と診断。術前の全身CTで両下肺に肺転移を認めたが、肝転移は明らかではなかった。2007年11月直腸癌に対し、低位前方切除術を施行した。術1ヶ月後の血液検査で、CEA 283ng/mlと高値を示し、造影CTにて肝S2に27mm、S5に17mmの肝転移を認めた。肺・肝転移に対して、IFL/UFT (第1日目にirinotecan, l-LV, 5-FU投与し、1-7日目にUFTとLVの経口投与を行うプロトコール) による化学療法を開始したが、grade 3に相当する嘔気嘔吐、下痢などの消化器症状が出現した。5クールのIFL/UFT治療後、副作用のため化学療法の継続が困難となった。経口薬による外来治療を希望され、2008年2月よりUFT(300mg/日)、LV(75mg/日)にて治療を開始した。2008年4月、CTにて肺転移巣と肝S1の転移巣は消失、肝S5の転移巣の縮小を確認した。引き続き、UFT/LV療法を継続し、2009年2月CTで肝転移巣は消失し、CRと判定した。2012年10月患者の希望により化学療法を中止したが、現在まで良好なCRを維持している。今回、われわれは直腸癌術後肺肝転移に対し、当初IFL/UFTによる化学療法を施行するも、毒性のため継続困難となったためUFT/LV療法を行いCRが得られた1例を経験したので報告する。
索引用語 転移性大腸癌, 化学療法