| セッション情報 | Young Investigator Session（卒後3-5年迄） |
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| タイトル | Y7-01：虫垂カルチノイドの1例 |
| 演者 | 田内 潤（和泉市立病院 外科） |
| 共同演者 | 雪本 清隆（和泉市立病院 外科）, 坂下 克也（和泉市立病院 外科）, 須浪 毅（和泉市立病院 外科）, 澤田 隆吾（和泉市立病院 外科）, 阪本 一次（和泉市立病院 外科）, 平川 弘聖（大阪市立大学大学院 腫瘍外科） |
| 抄録 | 消化管に発生するカルチノイド腫瘍は本邦では比較的稀である。その中でも虫垂に発生するカルチノイド腫瘍は人口10万人に1.5人（0.0015％）とされているが、外科領域では虫垂炎の手術を契機に診断される症例がある。今回、急性虫垂炎にて手術を施行し病理組織検査にて初めてカルチノイドと診断された1例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。症例は18歳女性。昼食後の腹痛、嘔吐にて近医受診。急性腸炎の診断にて投薬加療を受けるも症状改善なく、夜間に発熱も認めたため、翌日当科受診となった。既往歴は、6歳時喘息にて治療歴を認めた。家族歴に特記すべき事項なし。身体所見では、腹部は平坦・軟であるが、McBurneryに圧痛・反跳痛を認めた。血液・生化学検査では白血球・ＣＲＰの上昇を認める以外、異常所見は認めなかった。エコー・ＣＴ検査にて虫垂は腫大し、周囲脂肪織に炎症を認めた。以上の所見より急性虫垂炎の診断にて、腹腔鏡下虫垂切除を施行した。標本では虫垂は全体に腫大し、粘膜は潰瘍を形成し蜂窩織炎性虫垂炎と診断した。病理組織所見では、粘膜は潰瘍化し、漿膜下層にかけ腫瘍細胞がびまん性に浸潤し、免疫染色では、腫瘍細胞はsynaptophysin(+)、CD56(+)、chromogranin(-)でカルチノイドと診断した。また、腫瘍断端は陽性であったため、1.5カ月後に追加切除を行った。深達度は漿膜下層まで浸潤していたが、腫瘍径が12ｍｍでKi-67＜1%、ly0、v0のため、リンパ節郭清は省略可能と考え腹腔鏡下盲腸部分切除のみとした。病理組織所見では、腫瘍の残存は認めなかった。術後5カ月現在再発なく経過観察中である。 |
| 索引用語 | 虫垂, カルチノイド |