セッション情報 一般演題

タイトル 10:

上・下腸間膜静脈閉塞を伴った腸間膜脂肪織炎の一例

演者 若原 佑平(大阪市立総合医療センター 消化器内科)
共同演者 佐野 弘治(大阪市立総合医療センター 消化器内科), 山村 匡史(大阪市立総合医療センター 消化器内科), 小田桐 直志(大阪市立総合医療センター 消化器内科), 平松 慎介(大阪市立総合医療センター 消化器内科), 末包 剛久(大阪市立総合医療センター 消化器内科), 山崎 智朗(大阪市立総合医療センター 消化器内科), 佐々木 英二(大阪市立総合医療センター 消化器内科), 根引 浩子(大阪市立総合医療センター 消化器内科), 佐藤 博之(大阪市立総合医療センター 消化器内科), 中井 隆志(大阪市立総合医療センター 肝臓内科), 川崎 靖子(大阪市立総合医療センター 肝臓内科), 木岡 清英(大阪市立総合医療センター 肝臓内科), 大平 豪(大阪市立総合医療センター 消化器外科), 井上 透(大阪市立総合医療センター 消化器外科), 西口 幸雄(大阪市立総合医療センター 消化器外科)
抄録 【症例】41歳 男性.【既往歴】31歳 十二指腸潰瘍で開腹手術【現病歴】4カ月前からの泥状下痢便と左側腹部痛を主訴に前医に入院,S状結腸憩室炎の診断で抗生剤投与(CTM2g/day)が開始された。下部消化管内視鏡検査を施行されたが直腸S状部の狭窄が強く口側への内視鏡挿入が困難であり,注腸造影では左半結腸に広範な狭窄像を認め,拇指圧痕像を伴っていたため虚血性腸炎が疑われた.38℃台の発熱と腹痛が改善しないため当院転院となった.【経過】前医での注腸造影所見から虚血性腸炎を疑い,抗生剤(CMZ 2g/day)投与と絶食による腸管安静で経過観察した.腹部造影CTでは下行結腸から直腸上部にかけて壁肥厚と周囲脂肪織濃度上昇,腹膜肥厚を認めた.細径内視鏡を使用して下部消化管内視鏡検査を施行したところ,下行結腸から上部直腸にかけて浮腫状粘膜を認めた.虚血性腸炎後の変化と考え,保存的治療で症状は軽快し退院となった.退院の2か月後に腹痛が再発し,再入院した.腹部造影CTでは左半結腸の著明な壁肥厚と脂肪織濃度の上昇に加え,上・下腸間膜静脈閉塞が確認された.下部消化管内視鏡検査では左半結腸は浮腫状粘膜を呈し,脾彎曲部から下行結腸下部に前回みられなかった縦走潰瘍を認めた.腸間膜静脈閉塞による虚血性腸炎と診断した.保存的治療では治療が困難と判断し外科的切除を施行することとなった.病理結果では,腸管周囲の脂肪組織に泡沫状の組織球を多数認め,形質細胞やリンパ球などの炎症細胞浸潤を認めた.一部脂肪壊死と出血を伴っており,腸間膜脂肪織炎と診断された.腸間膜静脈閉塞に対して抗血栓薬内服を開始し,軽快退院となった.【考察】腸間膜脂肪織炎は腸間膜脂肪織の非特異的炎症疾患である.今回上・下腸間膜静脈閉塞を伴った腸間膜脂肪織炎の一例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
索引用語 腸間膜脂肪織炎, 腸間膜静脈閉塞