セッション情報 一般演題

タイトル 45:

当院で経験した特殊型膵癌の検討

演者 南 竜城(京都大学医学部消化器内科)
共同演者 栗田 亮(京都大学医学部消化器内科), 上田 樹(京都大学医学部消化器内科), 西川 義浩(京都大学医学部消化器内科), 津田 喬之(京都大学医学部消化器内科), 山内 雄揮(京都大学医学部消化器内科), 佐久間 洋二朗(京都大学医学部消化器内科), 栗山 勝利(京都大学医学部消化器内科), 丸野 貴久(京都大学医学部消化器内科), 大田 悠司(京都大学医学部消化器内科), 塩川 雅広(京都大学医学部消化器内科), 澤井 勇悟(京都大学医学部消化器内科), 辻 喜久(京都大学医学部消化器内科), 宇座 徳光(京都大学医学部消化器内科), 児玉 裕三(京都大学医学部消化器内科), 千葉 勉(京都大学医学部消化器内科)
抄録 【背景】特殊型膵癌は比較的稀な腫瘍であり、診断が困難である。今回、当院で経験した特殊型膵癌について検討した。【方法】2010年4月~2013年8月に当院で組織学的に特殊型膵癌と診断した8例(腺扁平上皮癌5、退形性癌3)を対象とした。検討項目は、腺扁平上皮癌と退形成癌での、1) 発見契機、2) 発生部位と腫瘍径中央値、3)CTでの造影効果、4)EUS画像の特徴(a;境界、b;辺縁、c;内部エコー、d;嚢胞成分の有無、e;膵管拡張の有無)、5)画像診断能・EUS-FNAの診断成績、とした。【結果】腺扁平上皮癌:1)発見契機は、腹部不快1、黄疸1、糖尿病増悪1、他疾患精査2例であった。2)発生部位は、頭部1、体部1、尾部3例で、腫瘍径中央値は、34mm(26-50)。3) CTでの造影効果は、2例で膵実質相よりみられ平衡相まで遷延、3例で遅延性濃染のみであった。4)EUSでは、a;境界は全例で明瞭、b;辺縁は1例で結節状、4例で結節状と平滑部分の混在がみられた。c;内部は全例で不均一な低エコーで、d;嚢胞成分の混在は3例、e;尾側膵管拡張は1例でみられた。5)各種画像検査から1例は通常型膵癌と診断、4例(80%)で特殊型膵癌と術前診断し得た。EUS-FNAでは1例は扁平上皮癌、4例は腺癌と診断した。退形成癌: 1)発見契機は、腹部不快2、他疾患精査1例であった。2)発生部位は、全例尾部で、腫瘍径中央値は32mm(23-41)。3) CTでの造影効果は、全例で膵実質相から淡くみられ、平衡相まで遷延した。4)EUSでは、a;境界は全例で明瞭、b;辺縁は1例で結節状、2例で平滑で、c;内部は全例で不均一な低エコーであり、d;明瞭な嚢胞成分は3例全例でみられ、e;尾側膵管拡張は1例でみられた。5)各種画像検査から全例(100%)で特殊型膵癌と術前診断し得た。EUS-FNAでは全例で確定診断し得た。【結語】特殊型膵癌は稀な腫瘍であり、術前診断が困難とされるが、画像所見を丁寧に拾い上げることで正診率は向上する。腺扁平上皮癌は、扁平上皮癌と腺癌の成分が混在しているため、EUS-FNAを行っても扁平上皮癌の成分が採取できない可能性があり、CTでの造影態度やEUSでの辺縁の性状から膨張性発育の形態をとらえることが重要となる。
索引用語 特殊型膵癌, EUS