セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 34:大腸内視鏡検査にて虫垂開口部からの排膿が観察された慢性虫垂炎の1例 |
演者 | 高塚 聡(大阪市立十三市民病院 外科) |
共同演者 | 新川 寛二(大阪市立十三市民病院 外科), 貝崎 亮二(大阪市立十三市民病院 外科), 堀 高明(大阪市立十三市民病院 外科), 池原 照幸(大阪市立十三市民病院 外科), 宮野 正人(大阪市立十三市民病院 消化器内科), 大庭 宏子(大阪市立十三市民病院 消化器内科), 上田 渉(大阪市立十三市民病院 消化器内科), 青木 哲哉(大阪市立十三市民病院 消化器内科), 山口 誓子(大阪市立十三市民病院 消化器内科), 倉井 修(大阪市立十三市民病院 消化器内科), 大川 清孝(大阪市立十三市民病院 消化器内科), 平川 弘聖(大阪市立大学大学院 医学研究科 腫瘍外科学) |
抄録 | 大腸内視鏡検査にて虫垂開口部からの継続的な排膿が観察された患者に対して虫垂切除術を施行し,病理組織学的検査にて慢性虫垂炎に微小なカルチノイド腫瘍が合併していた稀な症例を経験したので報告する.患者は40歳代の男性.2013年3月血便と右側腹部の熱感の為に近医より当院消化器科に紹介された.大腸内視鏡にてポリープと内痔核を認めた以外に,虫垂開口部の発赤と浮腫を認め,鉗子による圧迫にて膿汁が流出した.血液検査上炎症所見はなかったが,levofloxacin 500mgが5日間投与された.53日目に大腸内視鏡下ポリープ切除の施行時に,虫垂開口部からの排膿が継続していたため,levofloxacin 500mgが7日間再投与された.初回内視鏡検査後158日目に再度内視鏡検査が行われたが,虫垂開口部から同様の排膿を認めたため,当科に紹介された.腹部所見は右下腹部に軽度の圧痛を認めたが,筋性防御,反跳痛は認めなかった.白血球数6660 /mm3,CRP <0.03 mg/dlと炎症所見は無く,造影CTで虫垂は軽度腫大し造影効果を有するも,周囲の炎症性変化は認めなかった.画像診断にて慢性虫垂炎が疑われ,自覚症状も伴っていたため手術適応と考えられ,初回内視鏡検査後203日目に単孔式腹腔鏡下虫垂切除術を施行した.術中所見にて虫垂は軽度発赤・腫大し,虫垂根部の硬化性変化を認めたため,体外操作にて虫垂根部を含めて切除した.病理組織学的所見では,リンパ球や形質細胞を中心とする炎症細胞の浸潤とリンパ濾胞の形成を認め,慢性虫垂炎の所見であった.また,虫垂先端に限局してリボン状に配列する異型細胞の増生がみられ,直径1mm大のカルチノイド腫瘍と診断された.術後感染性腸炎を発症したが,術前みられた腹部症状は軽快し,13日目に退院した. |
索引用語 | 慢性虫垂炎, 大腸内視鏡 |