セッション情報 |
シンポジウム「メタボリックシンドロームと肝胆膵疾患」
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タイトル |
S-10:当院におけるNASH肝癌の臨床的特徴と発癌予測因子の検討
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演者 |
染田 仁(関西電力病院 消化器内科) |
共同演者 |
池田 一毅(関西電力病院 消化器内科), 藤原 幹夫(関西電力病院 消化器内科), 中村 武史(関西電力病院 消化器内科) |
抄録 |
【目的】メタボリックシンドロームの肝の表現型であるNAFLDは我が国で1000万人, NASHは200万人と推定されている。そのためNASHを背景とする肝癌も増加しつつある.今回当院におけるNASH肝癌の特徴と発癌リスク予測因子について検討した.【対象と方法】2003年3月~2013年3月まで肝生検にてNASHと診断された75例(男性47例,女性28例 平均57歳)中,肝癌を認めた9例(男性6例,女性3例 平均71歳 NASHと同時診断3例,NASHフォロー中の発癌6例)である.NASHの組織診断はMatteoni分類のType 3及び4をNASHとし,線維化はBruntのStage分類に従った.まずNASH肝癌の臨床特徴を検討し,次にNASH肝発癌の予測因子についてCOX比例ハザードモデルを用いて検討した.【結果】NASH肝癌の臨床的特徴は以下に記す.平均年齢は71±7(mean±SD)歳で男女比2:1,BMIは30±4,肥満・糖尿病・高血圧・脂質異常の合併はそれぞれ89%・56%・89%・33%であった.AFPは12.2±11.5,PIVKA-2は65.4±47.5でPIVKA-2陽性率が高値であった.肝癌の進行度はstage 1:5例,2:2例,3:2例,Child-Pugh A:7例,B:2例,背景肝の線維化stage 3以上7例,stage 3未満2例であった.NASH(stage 3, 4)からの発癌率は年率約6%であった.生検時の臨床データから発癌の予測因子について検討すると,単変量解析(Logrank検定)で,stage 3以上の線維化,BMI≧30,年齢≧60,FIB-4≧2.5が有意に高率に発癌したが,多変量解析ではBMI≧30が有意な傾向を示したが,すべて有意差はなかった.【結論】当院のNASH肝癌の特徴は,厚労省の報告と比較して,BMIが高値で高血圧の合併が多いが,その他は類似していた.発癌の予測因子は有意な因子を見いだせなかった |
索引用語 |
NASH, 肝癌 |