セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
03:Multiple lymphomatous polyposis(MLP)の形態を呈したマントル細胞リンパ腫の1例
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演者 |
上田 渉(大阪市立十三市民病院 消化器内科) |
共同演者 |
宮野 正人(大阪市立十三市民病院 消化器内科), 大庭 宏子(大阪市立十三市民病院 消化器内科), 青木 哲哉(大阪市立十三市民病院 消化器内科), 山口 誓子(大阪市立十三市民病院 消化器内科), 倉井 修(大阪市立十三市民病院 消化器内科), 大川 清孝(大阪市立十三市民病院 消化器内科) |
抄録 |
【症例】60歳代、男性。【現病歴】4日前から心窩部痛を認め、精査加療目的で当院を受診。【入院時現症】身長168cm、体重68kg、血圧150/80 mmHg、脈拍80回/分、体温36.5℃腹部:平坦、軟。心窩部に軽度圧痛と右下腹部に腫瘤を触知。【血液検査成績】WBC 7550×103/mm3、CRP 0.11 mg/dlと炎症所見はなく、RBC 503×103/mm3,Hb 15.5 g/dl、と貧血も認めなかったが可溶性IL-2受容体は2260U/mlと著明に上昇していた。原因精査のために行われた下部内視鏡検査では終末回腸に多発ポリープ様隆起と病変周囲のリンパ濾胞の腫大がみられた。近接像で腫瘤とリンパ濾胞上に血管拡張像が認められた。虫垂を含めて大腸には明らかな異常所見は認めなかった。上部内視鏡検査でも十二指腸には多発ポリープ様隆起がみられた。胃では大小さまざまな粘膜下腫瘍様隆起と雛璧の肥厚、潰瘍伴う粘膜下腫瘍を認めた。生検組織ではいずれにも異型リンパ球様浸潤がみられ、免疫染色でCD20陽性,CD3陰性,CD10陰性、CD5一部陽性、bcl-2陽性,cyclinD1陽性であり、MLPを呈したマントル細胞リンパ腫と診断された。マントル細胞リンパ腫は非ホジキンリンパ腫の約3%を占めるB細胞リンパ腫であり、消化管悪性リンパ腫では比較的まれである。今回MLPの形態を呈したマントル細胞リンパ腫を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 |
MLP, マントル細胞リンパ腫 |