| セッション情報 |
ワークショップ２「併存疾患と進行度に応じた消化器癌の治療戦略」
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| タイトル |
W2-01：他臓器癌合併を念頭においた食道表在癌治療戦略
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| 演者 |
中野 貴博（京都第一赤十字病院 消化器内科） |
| 共同演者 |
戸祭 直也（京都第一赤十字病院 消化器内科）, 山田 真也（京都第一赤十字病院 消化器内科）, 吉田 憲正（京都第一赤十字病院 消化器内科） |
| 抄録 |
【目的】食道癌には他臓器癌合併が多いことは広く知られている。今回ESDを行った食道表在癌症例の中長期成績を検討し、その有用性を明らかにするとともに、併存疾患の合併が予後にもたらした影響を解析する。【方法】京都第一赤十字病院消化器内科において、食道ESDを行い、術後3年以上経過（2006年3月～2010年10月）した表在型食道癌78症例-93病変（男性75例、女性24例）。ESDの成績及び術後の経過、予後につき検討を行い、併存疾患の影響を考察した。【結果】全症例の最終病理結果は、EP-LPM（適応内）77病変（82.8%）、MM-SM1（相対的適応）12病変（12.9%）、SM2以深（適応外）4病変(4.3%）であった。一括切除率96.7%（90/93）%、一括R0切除率93.5（87/93）%であった。追加治療は、APC3例、化学療法2例、放射線化学療法2例、手術2例であった。偶発症は穿孔4.3%（4/93）、皮下気腫2.1%(2/93)、狭窄3.2%(3/93)であった。この中で同時・異時性他臓器癌は31.1(29/93)%（頭頸部癌8例、胃癌10例、肺癌6例、膀胱癌1例、肝細胞癌1例、大腸癌2例、膵癌1例）、3年生存率は89.2%（83/93）で、全存率は89.2%（83/93）であった。異時性異所性再発死2例、他病死5例（肺癌2例、膵癌1例、大腸癌1例、脳梗塞1例）が多く、原病死に限ると2例（SM2 1例、SM2以上 1例）であった。また、適応病変では、遠隔転移やリンパ節転移はみられなかったが、他病死は、適応内病変や適応拡大病変にもみられた。【結論】食道ESDは偶発症も十分コントロールでき、3年生存でみれば、良好な成績であった。適応病変や相対適応、適応外にかかわらず、併存疾患による他病死が多く、異時性多発や他臓器癌の合併が多いことを念頭に置いた術前の十分な検査と術後の定期的な検査、マネジメントが食道表在癌ESD症例の予後改善には重要と考えられた。 |
| 索引用語 |
食道, ESD |
