セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年迄)

タイトル Y5-06:

腎癌術後膵転移の4例

演者 田中 涼太(大阪市立大学大学院 腫瘍外科)
共同演者 木村 健二郎(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 天野 良亮(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 山添 定明(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 三浦 光太郎(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 平田 啓一郎(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 渋谷 雅常(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 桜井 克亘(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 永原 央(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 豊川 貴弘(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 久保 尚士(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 田中 浩明(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 六車 一哉(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 大谷 博(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 前田 清(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 大平 雅一(大阪市立大学大学院 腫瘍外科), 平川 弘聖(大阪市立大学大学院 腫瘍外科)
抄録 比較的稀な腎癌術後膵転移の4例を経験したので報告する。症例1)70歳代の男性。平成4年に左腎癌に対し左腎摘出術を施行。同年10月、肺転移を認めインターフェロンにて完治した。平成23年1月、CTにて膵鈎部に動脈相で著明に濃染する25mm大の腫瘍を認めた。腫瘍の中心部は造影効果の弱い領域を認めた。術前にEUS-FNAを施行したが、確定診断に至らなかった。術前診断を転移性膵腫瘍あるいは神経内分泌腫瘍とし、亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した。病理結果は腎癌の膵転移で、腎癌術後19年経過した膵転移の1例であった。症例2)60歳代の女性。平成12年に右腎癌に対し右腎摘出術を施行。平成22年11月、術後精査のCTにて膵体尾部に動脈相で辺縁が著明に濃染し、中心が不均一に濃染する30mm大の腫瘍を認めた。病変の内部に腫瘍血管の増生を認め多血性腫瘍と考えられた。腎癌の転移性膵腫瘍あるいは神経内分泌腫瘍の術前診断で腹腔鏡補助下膵体尾部切除術を施行した。病理結果は腎癌の膵転移で、腎癌術後10年経過した膵転移の1例であった。症例3)40歳代の女性。平成7年に右腎癌で右腎摘術を施行。平成25年5月に左尿管結石の際にCTにて膵尾部に75mm大の嚢胞性腫瘍を認めた。膵尾部に境界明瞭な楕円形の腫瘍を認め、早期相より強い濃染をうけ、中心に車軸様の嚢胞性変化を伴っていた。年齢・画像よりMCNも疑われたが腎癌膵転移の術前診断で膵体尾部切除を施行した。病理結果は腎癌の膵転移で、腎癌術後18年経過した膵転移の1例であった。症例4)70歳代の男性。平成14年に左腎細胞癌で左腎摘術施行。貧血精査の上部内視鏡検査にて胃穹窿部の静脈瘤を認め、CTで膵尾部から脾門部に位置する38mm大の不整形の多血性腫瘍を認めた。早期相から著明な濃染像を認め脾門部浸潤および脾静脈閉塞を伴っていた。腎癌術後膵転移の術前診断で腹腔鏡補助下膵尾部切除を行った。病理結果は腎癌の膵転移で脾静脈閉塞の原因は血栓であった。腎癌術後11年経過した膵転移の1例であった。今回、我々は比較的稀な腎癌術後膵転移の4例を経験したので、文献的考察を加え報告する。
索引用語 膵臓, 転移