セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年迄)

タイトル Y4-03:

内視鏡的バルーン拡張術が有効であったvigorous achalasiaの1例

演者 山田 恭孝(北播磨総合医療センター 消化器内科)
共同演者 境 秀樹(北播磨総合医療センター 消化器内科), 家元 孝雄(北播磨総合医療センター 消化器内科), 林 宏樹(北播磨総合医療センター 消化器内科), 田中 克英(北播磨総合医療センター 消化器内科), 堀 順子(北播磨総合医療センター 消化器内科), 佐貫 毅(北播磨総合医療センター 消化器内科)
抄録 内視鏡的バルーン拡張術が有効であったvigorous achalasiaの1例北播磨総合医療センター 消化器内科山田 恭孝、境 秀樹、家本 孝雄、林 宏樹、田中 克英、堀 順子、佐貫 毅症例は79歳男性である。半年ほど前より食物通過不良による摂食障害と食後の嘔吐を繰り返し、体重減少をきたしていた。近医で上部消化管内視鏡検査を施行したが原因特定に至らず、当科紹介となった。内視鏡検査を再検したところ、食道内に食物残渣が貯留し、下部食道に分節性の強い輪状収縮、更に食道胃接合部に粘膜虚血に陥るほどの強い収縮所見を認めた。食道透視所見ではびまん性食道痙攣 (DES)に特徴的な分節性・コークスクリュー像を認め、アカラシアよりDESを疑う所見であったため、Ca拮抗薬投与による加療を開始した。しかしながら効果は一時的なものであり、体重減少も進んだため、バルーン拡張術を目的に入院となった。EUS所見では、異常収縮部に一致して、食道筋層・内輪筋厚が約5~8mmと著明な肥厚所見を認めた。当院では食道内圧検査が施行できないため、アカラシアとDESの鑑別は困難であったが、症状改善を期待して食道アカラシアバルーン拡張術を施行した。2回にわたり施行したが画像上、改善傾向が見られなかった。一旦退院の上、外来管理とし、腹腔鏡下筋層切開術を予定していたところ、嘔吐は消失し、短期間で体重も症状発症前と同水準まで回復し、著明な症状改善傾向を認めた。術後5ヶ月が経過したが、症状再発を認めていない。食道内圧検査が未施行であるため、確定診断に至っていないが、本症例はDESの非蠕動性同時収縮とアカラシアの噴門弛緩不全の両疾患の特徴を有するvigorous achalasiaと考えられる。今回バルーン拡張で著明な症状改善を得たvigorous achalasiaを経験したため、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 DES, アカラシア