セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年迄)

タイトル Y7-07:

S状結腸癌に対してFOLFOX6+Bevacizumab投与中に虫垂穿孔をきたした一例

演者 原田 威徳(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院)
共同演者 河野 孝一朗(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院), 薗 誠(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院), 渡辺 幸太郎(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院), 橋本 佳愛子(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院), 西村 聡(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院), 木村 典世(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院), 牟田 優(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院), 廣橋 研志郎(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院), 渡辺 昌樹(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院), 工藤 寧(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院), 山内 淳嗣(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院), 高 忠之(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院), 浅田 全範(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院), 福永 豊和(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院), 川口 清隆(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院), 八隅 秀二郎(公益財団法人 田附興風会 医学研究所 北野病院)
抄録 【症例】50歳男性。S状結腸癌 腹膜播種StageIVに対してFOLFOX6+Bevacizumabによる化学療法を3コース施行していた。3コース目の投与4日後から37.2度の発熱と腹痛を認めたため救急外来を受診した。右下腹部に圧痛と反跳痛を認め、血液検査所見では炎症反応の上昇を認めた。腹部造影CT検査では回盲部から上行結腸にかけて浮腫状の壁肥厚を認めた。感染性腸炎を疑い、絶食、CMZで経過観察としていたが、翌日には38度の発熱と腹痛の悪化を認めた。反跳痛の範囲も右下腹部から腹部全体に及んでいた。汎発性腹膜炎を疑い、再度腹部造影CT検査を施行した。CTでは、虫垂先端にfree airを認めた。虫垂の穿孔による汎発性腹膜炎と判断し、虫垂切除術を施行した。病理組織像は漿膜側を主体とした腺癌を認め、一部で固有筋層から粘膜下層まで癌が認められた。  化学療法により今後も同様の消化管穿孔のリスクが考えられるものの、身体所見に十分に注意をはらいながら、FOLFOX6による化学療法を検討している。虫垂穿孔の原因として、化学療法が奏功し腫瘍が壊死に陥ったこと、Bevacizumabを投与することより正常な修復過程が阻害されたことが考えられた。文献的な考察を加えて報告する。【結語】S状結腸癌に対してFOLFOX6+Bevacizumab投与中に虫垂穿孔をきたした一例を経験した。
索引用語 穿孔, 播種