セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年迄)

タイトル Y6-01:

Helicobacter pylori除菌により改善したCap polyposisの1例

演者 鈴木 俊生(西陣病院 消化器内科)
共同演者 稲垣 恭和(西陣病院 消化器内科), 神尾 尚馨(西陣病院 消化器内科), 臼井 智彦(西陣病院 消化器内科), 曽我 幸一(西陣病院 消化器内科), 金光 大石(西陣病院 消化器内科), 坂本 京子(西陣病院 消化器内科), 葛西 恭一(西陣病院 消化器内科), 柳田 國雄(西陣病院 消化器内科), 伊谷 賢次(西陣病院 消化器内科)
抄録 【症例】40歳代 男性【主訴】排便時の出血【既往歴】特記すべき事項なし【現病歴】2012年4月に排便時の出血を主訴に近医より紹介受診。4/26に下部内視鏡検査を施行した。【下部消化管内視鏡検査】 直腸の半月ひだの頂部を中心に表面に粘液の付着を伴う広基性隆起性病変が散在していた。また、直腸~S状結腸に表面に粘液の付着を伴う地図状、平皿状の発赤調粘膜を認め、周囲には白斑を認めた。介在粘膜は正常であった。【腹部CT、MRI】直腸に壁肥厚を認めた。明らかな壁外への浸潤を示唆する所見やリンパ節の腫大は認めなかった。【臨床経過】2012年12月に症状が改善しないため再度精査目的に紹介受診となり下部消化管内視鏡検査を施行した。所見は前回と著変なく、悪性疾患を積極的に疑うものではなかった。特徴的な内視鏡像よりCap polyposisと診断し、まず排便時のいきみを控えるように指示したが症状は改善しなかった。経過中に施行した上部消化管内視鏡検査にてHelicobacter pylori陽性と判明した。過去に除菌により改善したとの報告が散見されたため、2013年3月一次除菌を施行。除菌は失敗し、内視鏡所見も著変なかった。その後、二次除菌を施行した。約1か月後には自覚症状は改善し始め、2013年5月に施行した下部消化管内視鏡検査では軽度の発赤と粘液の付着を認める程度で病変はほぼ消失していた。また、尿素呼気試験で除菌が成功したことを確認した。【結語】Helicobacter pylori除菌により改善したCap polyposisを経験したので、若干の文献的考察を交えて報告する。
索引用語 Cap polyposis, 除菌