セッション情報 | パネルディスカション「炎症性腸疾患の内科・外科境界領域」 |
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タイトル | P-02:潰瘍性大腸炎の手術適応におけるインフリキシマブの位置づけ |
演者 | 田中 梨絵(近畿大学 医学部 消化器内科 ) |
共同演者 | 櫻井 俊治(近畿大学 医学部 消化器内科 ), 樫田 博史(近畿大学 医学部 消化器内科 ), 千品 寛和(近畿大学 医学部 消化器内科 ), 足立 哲平(近畿大学 医学部 消化器内科 ), 高山 政樹(近畿大学 医学部 消化器内科 ), 峯 宏昌(近畿大学 医学部 消化器内科 ), 永井 知行(近畿大学 医学部 消化器内科 ), 川崎 正憲(近畿大学 医学部 消化器内科 ), 朝隈 豊(近畿大学 医学部 消化器内科 ), 松井 繁長(近畿大学 医学部 消化器内科 ), 工藤 正俊(近畿大学 医学部 消化器内科 ), 内野 基(兵庫医科大学 医学部 炎症性腸疾患センター), 池内 浩基(兵庫医科大学 医学部 炎症性腸疾患センター), 上田 和毅(近畿大学 医学部 外科), 吉藤 竹仁(近畿大学 医学部 外科) |
抄録 | 【背景と目的】生物学的製剤の登場により炎症性腸疾患の治療戦略は大きく変化した。当院では今まで、インフリキシマブ(IFX)を除く既存治療が無効である症例に手術が施行されてきた。この当院の手術適応およびIFXの有効性の、潰瘍性大腸炎の病態の層別化における有効性について検討した。 【方法】2009年1月から2013年10月までに当院消化器内科を受診した潰瘍性大腸炎患者257例のうち9例に手術が施行された。手術症例および同時期に重症潰瘍性大腸炎でありながら手術を回避でき内科的にコントロールし得た10例における粘膜での各種炎症性サイトカインなどの遺伝子プロファイル、薬物血中濃度や抗体の有無など治療効果予測に関わる因子の検討を行った。 【成績】手術を施行された9例の検討では、平均年齢45±15.9歳、術前の平均Mayo score10.5±1.2、術後在院日数27±10日であった。術後合併症は3例にイレウスを認めたが、いずれも保存的加療で軽快した。術前の治療としては、ステロイド使用が8例、タクロリムス使用が3例、シクロスポリン使用が6例、成分血球除去療法施行が7例であった(重複あり)が、いずれも無効であった。IFXは6例に投与され、そのうち3例で奏功した。手術を施行された症例と手術を回避し得た症例との間で炎症性サイトカインに有意差を認めなかった。IFX不応例では、反応例に比べて大腸粘膜での炎症性サイトカインがより高値であった。 【結論】手術を施行された症例と手術を回避し得た症例との間で遺伝子プロファイルに有意差を認めず、潰瘍性大腸炎の病態に差がないことが示唆された。一方でIFX無効例では有効例に比べて炎症性サイトカインが高値であり、IFXへの反応性は病態の層別化に有用である可能性がある。今後IFXの長期予後を検討することにより、IFXが奏功した症例についての手術適応を議論する必要があると考える。 |
索引用語 | 大腸, 炎症 |