セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年迄)

タイトル Y3-01:

機能性ディスペプシアと早期慢性膵炎の鑑別について

演者 門阪 薫平(近畿大学医学部 消化器内科)
共同演者 北野 雅之(近畿大学医学部 消化器内科), 大本 俊介(近畿大学医学部 消化器内科), 鎌田 研(近畿大学医学部 消化器内科), 宮田 剛(近畿大学医学部 消化器内科), 山雄 健太郎(近畿大学医学部 消化器内科), 今井 元(近畿大学医学部 消化器内科), 坂本 洋城(近畿大学医学部 消化器内科), 工藤 正俊(近畿大学医学部 消化器内科)
抄録 【目的】機能性ディスペプシア(functional dyspepsia:FD)は、内視鏡や腹部超音波などの検査で器質的疾患を認めないにもかかわらず、食後のもたれ感、膨満感、心窩部痛などの上腹部を中心とする症状が持続する疾患である。超音波内視鏡(EUS)によって診断される早期慢性膵炎(early chronic pancreatitis:ECP)とFDには定義に重複している部分があり、FDと診断されたなかにECPが含まれている可能性がある。【方法】2009年4月から2012年6月までに血液検査、上部内視鏡検査、腹部エコー検査において異常所見を指摘できず、EUSを施行され早期慢性膵炎の画像所見を満たした432症例のうちRoma3の診断基準を満たした158例を対象とした。これらを早期慢性膵炎と確定した群(a)(105例)と確定しない群(b)(53例)に分類し、EUS早期慢性膵炎所見数を比較した。また、(a)のうちで早期慢性膵炎と診断し治療介入した10例に対して、症状改善率と早期慢性膵炎所見数の変化を比較検討した。【結果】EUS早期慢性膵炎所見数は(a)3.76±0.22、(b)3.05±0.09となり早期慢性膵炎確診群は有意にEUS所見数が多かった(p<0.05)。次にカモスタットメシル酸塩またはパンクレリパーゼ投与にて治療加入された11症例のうち、症状が改善した症例は7例(63.6%)であり、EUS早期慢性膵炎所見数は4.30から2.75に減少した。【考察】FDと診断された症例に早期慢性膵炎の患者が含まれている可能性が示唆された。FDの患者にEUSを施行し早期慢性膵炎が診断することが可能となり、治療介入し症状が改善されうる。
索引用語 機能性ディスペプシア, 早期慢性膵炎