セッション情報 Young Investigator Session(卒後3-5年迄)

タイトル Y5-05:

後腹膜線維症を来した自己免疫性膵炎の1例

演者 吉田 竜太郎(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科)
共同演者 西尾 昭宏(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 竹中 春香(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 三浦 翔(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 印藤 直彦(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 佐々木 翔(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 山岡 優子(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 矢野 雄飛(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 末吉 伸行(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 杤谷 四科子(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 廣吉 康秀(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 松木 信之(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 藤田 光一(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 阿南 会美(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 阿南 隆洋(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 松井 佐織(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 渡辺 明彦(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 菅原 悦子(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 菅原 淳(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 藤田 剛(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科), 向井 秀一(淀川キリスト教病院 消化器センター 消化器内科)
抄録 【症例】59歳男性【主訴】全身倦怠感,口渇【現病歴】2006年1月全身倦怠感,口渇が出現したが,精査はされていなかった.2006年6月高血糖(BS537mg/dl)を指摘され,当院糖尿病内分泌内科を紹介受診し,糖尿病教育目的に入院となる.腹部単純CTで膵腫大指摘され当科に紹介となった.【既往歴】拡張型心筋症,心房細動【理学的所見】身体所見に特記すべき異常なし.【入院後経過】血液生化学検査でIgG(2771 mg/dl),IgG4(919 mg/dl)の著明な上昇を認めた.腹部エコーで膵腫大を認め,膵腫大部は比較的均一な低エコーを示し,内部に高エコースポットが散在していた.単純CTではびまん性膵腫大を認め,主膵管拡張なく,腫瘍性病変も認めなかった.Dynamic CTでもびまん性膵腫大を認め,帯状に病変部を取り囲む被膜様構造物を認めた. ERCPでは膵体部から膵尾部にかけて主膵管狭細像を認めた.膵液細胞診では癌細胞は認めなかった.2006年当時の自己免疫性膵炎臨床診断基準 を満たし,自己免疫性膵炎と診断した.PSL40mg/dayでステロイド加療を開始し,約3カ月でPSL5mg/dayまで漸減し,維持療法を行ったところ,画像・血液検査上,自己免疫性膵炎は改善した.維持療法を約5年間継続し,2011年11月にステロイドを中止した.2011年12月頃より歩行時の下腹部痛,頻尿が出現し,2012年2月下腹部痛増悪を主訴に当院救急外来を受診した.腹部単純CTで両側水腎症と大動脈周囲の軟部組織を認め, IgGの上昇も来していたので後腹膜線維症と診断した.再度,PSL40mg/dayでステロイド加療を開始し,約6か月でPSL5mg/dayまで漸減し,維持療法を継続している.現在のところ,自己免疫膵炎も後腹膜線維症も増悪なく経過している.【考察】後腹膜線維症を来した自己免疫性膵炎の1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.
索引用語 自己免疫性膵炎, 後腹膜線維症