セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル F1-03:

脾転移ならびに傍大動脈リンパ節転移切除により長期生存中の胃癌の1例

演者 松田 翔悟(奈良県立奈良病院 )
共同演者 高 済峯   済峯 (奈良県立奈良病院 ), 渡辺  明彦(奈良県立奈良病院 ), 松阪   正訓 (奈良県立奈良病院 ), 中村  広太 (奈良県立奈良病院 ), 辻  泰子 (奈良県立奈良病院 ), 向川  智英(奈良県立奈良病院 ), 石川  博文(奈良県立奈良病院 )
抄録 脾転移ならびに傍大動脈リンパ節転移切除により長期生存中の胃癌の1例奈良県立奈良病院 外科松田、高、辻、中村、松阪、向川、石川、渡辺症例は62歳、男性。胃癌に対し6年前に胃全摘術を受けた。低分化型腺癌でse, ly3, v2,で一部にscirrhous carcinomaの像を認めた。 3年前に孤立性脾転移をきたし膵尾部脾切除を施行した。2年前には左腎門部のリンパ節再発を認め、CDDP+S-1療法を受け、その後S-1内服を継続し、リンパ節転移は縮小を維持していた。4から6か月毎のCTフォローをしていたが、直近のCTにて大動脈左側の膵背側で左副腎と左腎静脈と上腸間膜動脈に囲まれる部位に大きさ3cm大の腫瘍が出現、同腫瘍はPETにて強いFDGの集積を認めた。他に再発巣を認めず、御本人の化学療法への受容も不良であったため、外科的切除を行う方針となった。上腹部正中切開で開腹、右側から左側へ十二指腸と膵頭部を受動し、大動脈の左方に到達、腫瘍を大動脈,左腎静脈,左副腎から剥離して摘出した。病理は低分化型腺癌で、胃癌からの転移と診断された。以後は御本人の希望により無治療で経過観察しているが、最終手術後2年経過した現在、再発を認めず、健康人と変わらぬ日常生活を過ごされている。本症例は、遠隔転移再発胃癌に対し、外科的切除が奏功している貴重な1例と思われた。
索引用語 傍大動脈リンパ節転移切除, 胃癌