セッション情報 Freshman Session(卒後2年迄)

タイトル F2-09:

FDG-PETが著明に集積した膵solid-pseudopapillary neoplasmの1例

演者 松本 一寛(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科)
共同演者 猪熊 哲朗(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 細谷 和也(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 南出 竜典(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 北本 博規(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 小川 智(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 高島 健司(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 福島 政司(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 和田 将弥(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 占野 尚人(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 井上 聡子(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 鄭 浩柄(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 藤田 幹夫(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 杉之下 与志樹(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科), 岡田 明彦(神戸市立医療センター中央市民病院 消化器内科)
抄録 【症例】22才、女性。【主訴】特記事項なし。【現病歴】腹痛を自覚し、近医受診し腸炎の診断で腹部CTを施行した際に、膵尾部腫瘍を指摘された。他院PET-CTにてFDGの異常集積を認め、精査・加療目的にて紹介となる。【入院後経過】理学/身体所見は特記すべき異常なし。膵酵素や膵関連腫瘍マーカーの上昇なども認めなかった。画像検査では、膵尾部に35ミリ大の嚢胞成分と充実成分が混在し、隔壁様構造を有する境界やや不明瞭な腫瘍を認める。充実部は造影効果を有し、嚢胞部にはfluid levelを有し出血の既往が示唆された。ERCPでは、膵管との交通はなく、主膵管には拡張・狭窄など認めなかった。年齢/性別/画像所見からsolid-pseudopapillary neoplasm(SPN)が強く疑われた。経過観察と切除術の選択を提示し、患者が切除を希望したため、膵体尾部切除術を施行した。【考察】SPNは、若年女性に好発する比較的まれな膵腫瘍で、良性の経過をたどることが知られているが、15.0-19.5%には浸潤/転移を伴う場合もあると報告されている。通常、FDG-PETで集積をきたす腫瘍では悪性腫瘍が多く、膵腫瘍の良悪性の鑑別に有用であると報告されている。今回、我々はFDGの著明な集積を認めたこともあり、切除術を選択した膵SPNを経験した。当施設では、これまで膵SPNの切除例を5例経験しているが、その画像所見の特徴/組織学的検討などを加え、文献的考察も含めて報告する。
索引用語 SPN, PET