セッション情報 |
ワークショップ1「肝細胞癌治療の現況と展望」
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タイトル |
W1-03:肝細胞癌手術治療の現状と進行・再発症例における肝切除の意義
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演者 |
山戸 一郎(奈良県立医科大学 消化器・総合外科) |
共同演者 |
北東 大督(奈良県立医科大学 消化器・総合外科), 尾原 伸作(奈良県立医科大学 消化器・総合外科), 中島 祥介(奈良県立医科大学 消化器・総合外科) |
抄録 |
【背景】当科では肝癌診療ガイドラインのアルゴリズムに基づいて,肝切除,RFA,TACE,分子標的治療などの治療選択を行っている.切除術式は,幕内基準を遵守している.肝切除後再発に対しても同様に治療法を選択し,初回肝切除の適応を満たせば積極的に再肝切除を施行している.また,ガイドライン上,手術適応とならない症例に対しても集学的治療の一環としての肝切除を試みている.【目的】肝細胞癌に対する手術治療成績と今後の展望について検討する.【対象】2000年から2012年までに初回肝切除を施行した248例.【結果】年齢(中央値)70(26-84)歳,男性192例(77.4%),女性56例(22.6%),ICG(中央値)13.1(2.7-78.1)%,系統切除100例(40.3%),非系統切除148例(59.7%),うち腹腔鏡下切除を34例に施行した.5年全生存率は67.5%,5年無再発生存率は37.7%であった.再発は102例に認め,25例(24.5%)に再肝切除が施行できた.再肝切除後の5年無再発生存率は35.4%であり,全生存率は91.7%であった.一方,初診時は手術適応とならないものの,集学的治療の一環として肝切除を施行した症例は20例存在した.内訳はTACEやRFA治療中にコントロール不能になった腫瘍に切除を施行した症例が11例,初回治療はTACEやRFAであるが,肝表面の再発に対し切除を施行した症例が7例,術前に肝動注療法を施行し手術にconversionし得た症例が1例,右葉の巨大腫瘍を伴う両葉多発病変に対し右肝切除後TACEを行った症例が1例であった.これらの症例における切除部位への再発はまれであり,また,術後5年生存率は58.3%と比較的保たれていた.【結語】局所コントロールが最も優れた治療である手術は,安全性,低侵襲性が高まっており,再発症例や進行症例においても施行できる可能性がある.その有効性についての更なる検討と,再発防止対策の確立が望まれる. |
索引用語 |
肝細胞癌, 肝切除 |