セッション情報 シンポジウム「中国地方における消化器病専門女性医師の活躍と環境整備」

タイトル S-05:

肝臓内科医20年をふりかえって-消化器女性医師の未来に-

演者 川中 美和(川崎医科大学総合内科学2/川崎医科大学附属川崎病院)
共同演者 浦田 矩代(川崎医科大学総合内科学2/川崎医科大学附属川崎病院), 西野 謙(川崎医科大学総合内科学2/川崎医科大学附属川崎病院), 末廣 満彦(川崎医科大学総合内科学2/川崎医科大学附属川崎病院), 河本 博文(川崎医科大学総合内科学2/川崎医科大学附属川崎病院)
抄録 【はじめに】近年、女性医師の増加に伴い、消化器内科を専攻する女性医師も増加している。しかし、女性は結婚、出産、子育て、夫の転勤などで勤続困難となることが少なくないため、常勤医師としての待遇を維持するのは非常な苦労が伴う。その背景には女性医師も男性と同様の仕事を求められること、医師の仕事は過酷であり、お互いにカバーできる余裕がないことが問題としてあげられる。これは日本の歴史や職場慣習、勤務する病院の問題などが多くかかわっており、簡単に改善されるものではない。しかし、消化器内科の将来を見据えた場合、多くの女性医師に消化器を専攻してもらい、継続して働いてもらえる環境を整えることは重要と考える。【課題】課題を2つ上げたい。一つ目は日本消化器病学会、各病院の体制作りである。女性医師が人生のイベントの中でキャリアの中断があることを前提とし、ステップを踏んだ見通しの立てやすい研修プログラムを確立して、専門医取得までのキャリアパスを考えることが大切と考える。また、復帰支援も重要である。育児後、戻るポジションがなくなっていることは少なくない。産前産後、育児期の勤務の緩和も含めて、ある一定期間のキャリア中断、復職に関するルールやシステム作りが必要と考える。2つ目は、女性医師自身、必要とされる医師になろうという心構えや実績作りが必要である。そのためには得意分野を作るのが最も近道と考える。内視鏡、腹部超音波の技術や知識の習得、学会活動、論文と学術的活動など、環境や状況に合わせ、自分が打ち込めることをしていくのがよい。専門医取得だけでなく、得意なsubspecialtyを持つことは、結婚、出産などで職場を変わらないといけない場合も役に立つと思われる。【結語】結婚、出産、育児の中で、私自身、苦労はあるが、女性消化器内科医を続けていてよかったと感じている。しかし、より多くの女性医師に消化器を専攻してもらい、継続して働いてもらえるようにするためには、消化器病学会をあげてのシステム作りとそれに合わせた各病院の体制、そして医師全員の協力が重要である。
索引用語 女性医師, キャリア形成