セッション情報 一般演題

タイトル O-46:

膵神経内分泌腫瘍、膀胱癌に合併した原発不明癌の1例

演者 斧山 巧(鳥取大学医学部附属病院 消化器内科)
共同演者 松本 和也(鳥取大学医学部附属病院 消化器内科), 川田 壮一郎(鳥取大学医学部附属病院 消化器内科), 澤田 慎太郎(鳥取大学医学部附属病院 消化器内科), 今本 龍(鳥取大学医学部附属病院 消化器内科), 林 暁洋(鳥取大学医学部附属病院 消化器内科), 池淵 雄一郎(鳥取大学医学部附属病院 消化器内科), 武田 洋平(鳥取大学医学部附属病院 消化器内科), 安部 良(鳥取大学医学部附属病院 消化器内科), 河口 剛一郎(鳥取大学医学部附属病院 消化器内科), 原田 賢一(鳥取大学医学部附属病院 消化器内科), 八島 一夫(鳥取大学医学部附属病院 消化器内科), 村脇 義和(鳥取大学医学部附属病院 消化器内科)
抄録 症例は70歳、男性。腹痛、食欲低下、体重減少にて近医受診。膵尾部腫瘤、膀胱腫瘤及び多発リンパ節腫大を指摘され当科紹介。腹部超音波検査では膵尾部に長径36mm大の内部エコー不均一な腫瘤を認めた。Dynamic CTにて膵尾部腫瘤、両側頸部、縦隔、腹腔内の腫大したリンパ節は、平衡相でびまん性に造影効果を認めた。なお、同時に観察された膀胱腫瘤は平衡相で一部に造影効果を認める長径30mm大であった。PET-CTでは膵尾部腫瘤、多発リンパ節腫大にFDGの集積を認めた。超音波内視鏡検査で膵尾部腫瘤及び傍大動脈リンパ節はいずれも境界明瞭、辺縁不整、内部エコーは不均一な低エコー腫瘤であった。膵尾部癌、及びこれによる多発リンパ節転移を疑ったが、膀胱癌からのリンパ節転移の可能性も考慮し、膵尾部腫瘤、傍大動脈リンパ節からそれぞれ超音波内視鏡下生検を施行した。膵尾部腫瘤の組織所見では類円形の核を有する異型細胞の増生を認め、免疫染色にてCK20、CEA、シナプトフィジン、クロモグラニンAは陽性、CK7、CA19-9は陰性で、Ki67指数は15%で、神経内分泌腫瘍G2 (WHO)と診断した。リンパ節は角化を伴う異型細胞を認め、CEA一部陽性、CK7、CK20、CA19-9、シナプトフィジン、クロモグラニンA陰性で扁平上皮癌と診断した。膀胱腫瘍は経尿道的腫瘍切除術を施行され、組織型は浸潤性尿路上皮癌であった。扁平上皮癌の原発巣については、咽喉頭、食道を中心に精査するも指摘しえなかった。以上から原発不明癌、膵神経内分泌腫瘍(G2 (WHO) cStageIIb cT3N0M0(AJCC/UICC)、cStageIIa cT2N0M0(ENETS))及び膀胱癌(pStageI pT1N0M0(腎盂・尿管・膀胱癌取扱い規約))と最終診断した。原発不明癌に対して5FU、Paclitaxel、nedaplatinによる化学療法を施行し、2クール終了後には腫大リンパ節は縮小し、PRと判定した。膵神経内分泌腫瘍は特に変化を認めていない。膵神経内分泌腫瘍、膀胱癌に合併した原発不明癌の1例を経験したので報告する。
索引用語 原発不明癌, 扁平上皮癌