セッション情報 中国支部専修医奨励賞(卒後3-5年迄)

タイトル SR-14:

診断に苦慮した肝Ossifying malignant epithelial and stromal tumorの1例

演者 寺岡 雄吏(JA尾道総合病院 消化器内科)
共同演者 天野 美緒(JA尾道総合病院 消化器内科), 今川 宏樹(JA尾道総合病院 消化器内科), 福本 晃(JA尾道総合病院 消化器内科), 飯星 知博(JA尾道総合病院 消化器内科), 小野川 靖二(JA尾道総合病院 消化器内科), 平野 巨通(JA尾道総合病院 消化器内科), 花田 敬士(JA尾道総合病院 消化器内科), 天野 始(JA尾道総合病院 消化器内科), 日野 文明(JA尾道総合病院 消化器内科), 米原 修治(JA尾道総合病院 病理研究検査科)
抄録 【症例】70歳代、女性.【既往歴】特記事項なし.肝臓の治療歴はない.【現病歴】20XX年4月、胸部絞扼感を主訴に当院循環器内科を受診.冠動脈CT検査で肝内に異常陰影を指摘され、当院紹介となった.【血液検査】軽度肝障害(AST 36 IU/l、ALT 43 IU/l、ALP 169 IU/l、γ-GTP 169 IU/l)がみられ、腫瘍マーカーはCEA 2.7 ng/ml、CA19-9 68.7 U/mlであった.【腹部CT検査】単純CT検査で肝S7に境界明瞭で、内部は一部石灰化を伴う不均一な濃度を示す占拠性病変を認めた.造影CT検査では動脈相で辺縁のみが造影され、内部は遅延性に淡く不均一な造影効果を示した.【腹部MRI検査】病変の内部はT1WIで低信号、T2WIで淡い高信号、DWIで拡散運動の低下を認めた.【経過】鑑別診断として、1.TACE後の肝細胞癌の再発、2.低分化主体の肝細胞癌、3.肝内胆管癌、4.転移性肝腫瘍などが挙げられたが、いずれも典型的ではなく診断に苦慮した.他に転移巣などなく、治療は肝後区域+前区域背側切除が選択された.【病理検査結果】腫瘍は高分化主体の胆管細胞癌の像に一致し、硝子化膠原線維よりなる間質を伴い、N/C比の大きい異型細胞が腺管を形成して増殖していた.また、腫瘍の内部には類骨細胞や骨細胞が多数含まれており、Ossifying malignant epithelial stromal tumorと診断した.【結語】肝の混合性悪性腫瘍は、成人では極めてまれであり、Ossifying malignant epithelial stromal tumorの報告は、Pubmedでの検索では2012年までに3例であった.本症例につき、若干の文献的考察を踏まえて報告する.
索引用語 肝内胆管癌, 肝腫瘍