セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-16:急速に肝硬変へ進行したC型慢性肝炎の1例 |
演者 | 盛生 玲央奈(広島大学病院消化器代謝内科 ) |
共同演者 | 川上 由育(広島大学病院消化器代謝内科 ), 福原 崇之(広島大学病院消化器代謝内科 ), 菅 宏美(広島大学病院消化器代謝内科 ), 藤野 初江(広島大学病院消化器代謝内科 ), 小林 和樹(広島大学病院消化器代謝内科 ), 大野 敦司(広島大学病院消化器代謝内科 ), 中原 隆志(広島大学病院消化器代謝内科 ), 本田 洋士(広島大学病院消化器代謝内科 ), 苗代 典昭(広島大学病院消化器代謝内科 ), 村上 英介(広島大学病院消化器代謝内科 ), 宮木 大輔(広島大学病院消化器代謝内科 ), 河岡 友和(広島大学病院消化器代謝内科 ), 平賀 伸彦(広島大学病院消化器代謝内科 ), 柘植 雅貴(広島大学病院消化器代謝内科 ), 平松 憲(広島大学病院消化器代謝内科 ), 今村 道雄(広島大学病院消化器代謝内科 ), 兵庫 秀幸(広島大学病院消化器代謝内科 ), 相方 浩(広島大学病院消化器代謝内科 ), 越智 秀典(広島大学病院消化器代謝内科 ), 茶山 一彰(広島大学病院消化器代謝内科 ) |
抄録 | はじめに:C型慢性肝炎の場合、年率0.1の割合で肝線維化が進行するといわれている。F1の場合F2に進展するのに10年という計算となり、肝線維化が軽度の症例に対しては治療を急がない場合がある。今回、軽度線維化から短期間(3年)で肝硬変まで進展した症例を経験したので報告する。症例は56歳女性。2007年9月(52歳)、検診にてHCV陽性を指摘され当院受診された。初診時検査所見(慢性肝炎):WBC 5310/mm3 Hb 15.4g/dl PLT 13万/mm3 T-Bil 0.6mg/dl ALT 23IU/L AST 22IU/L γGTP 29IU/L ALB 4.7g/dl PT 97% AFP 5ng/ml HCV-RNA 2A 4600KIU/ml (SNP IL28B T/T、ITPA C/C)であり外来にてIFN治療勧めたところ、承諾されたため肝生検入院に引き続きPeg/rib併用療法を開始した(肝生検結果:A2/F1)。治療開始4週目にHCV-RNAは陰性化するも、治療中にうつ状態となり治療継続困難と判断し8週にて中止。ウイルスは再燃し排除に至らなかったため、以後肝庇護療法(UDCA+SNMC)にて経過観察、次回はIFNβにての治療を予定していた。2010年(55歳)ごろからALT変動しAFP高値持続、同時期に肝内にSOL認めたためCT、MRI、PET施行。限局性脂肪肝以外異常所見認めなかった。またWBCおよびPLTの急激な減少も認めたため、血液内科紹介するが血液疾患は否定的であった。初診から3年後検査所見(肝硬変):WBC 2600/mm3 Hb 11.1g/dl PLT 3.5万/mm3 T-Bil 1.4mg/dl ALT 45IU/L AST 27IU/L γGTP 33IU/L ALB 2.9g/dl PT 53% AFP 248 ng/ml HCV-RNA 2A 5.3LogIU/ml 、非侵襲性肝線維化検査:ARFI 2.8 m/s Fibroscan 33kPaと肝硬変に進展していた。結語:肝炎のガイドラインではALT30未満の場合、肝生検にてF2以上がIFN治療介入必要と記載されている。ウイルスが存在するかぎりいつALTの変動が起こるかは予想がつかないため線維化の程度に関係なく感染しているウイルスは早期に排除することが望ましいと考える。特にALT値異常症例は積極的に治療介入を考慮すべきである。本症例は2011年5月よりIFNβ/rib併用療法を12ヶ月施行しSVRが得られ肝線維化も改善している。 |
索引用語 | C型慢性肝炎, 肝硬変 |