セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-17:腹腔鏡検査で診断しえた肝型Wilson病の1例 |
演者 | 室 信一郎(岡山大学病院 消化器内科) |
共同演者 | 森元 裕貴(岡山大学病院 消化器内科), 安中 哲也(岡山大学病院 消化器内科), 池田 房雄(岡山大学病院 消化器内科), 白羽 英則(岡山大学病院 消化器内科), 高木 章乃夫(岡山大学病院 消化器内科), 能祖 一裕(岡山大学病院 消化器内科), 山本 和秀(岡山大学病院 消化器内科) |
抄録 | 【症例】44歳 男性【主訴】肝機能障害【現病歴】毎年健康診断を受けていたが肝機能異常は指摘されていなかった。2012年の健診で初めて肝機能異常を指摘され、近医にて血液検査、血管造影、腹部CT検査にて精査を受け、肝硬変の指摘を受けたが、原因は不明であった。その後、前医に相談し、精査目的に当科に紹介となった。来院時の血液検査では軽度貧血(Hb:13.1g/dl)と血小板減少(Plt:7.3×104/μ)を認め、低アルブミン血症(Alb:2.8g/dl)とプロトロンビン時間の延長(PT活性:50%)、さらに胆道系酵素高値(ALP:645IU/l, LAP:88IU/l, γ-GTP:119IU/l)を認めた。IgG2308mg/dlと高値であったが、自己抗体はいずれも陰性であった。HBs抗原陰性、HBs抗体陽性、HBc抗体陽性、HBV-DNA陰性、HCV抗体陰性であり、B型肝炎感染既往と考えられた。原因検索目的に行った腹腔鏡検査では、赤褐色から黄褐色の色調で径3-10mmの結節からなる肝硬変の像であった。左葉手前と方形葉に径15-20mmの再生塊も認めた。自己免疫性肝疾患を示唆する肝表面所見は見られなかった。病理組織検査では隔壁に軽度のリンパ球浸潤を伴う肝硬変の像であった。肝硬変の再生結節が大きく不均一な脂肪沈着を認めたことからWilson病を疑い24時間尿中銅排泄量を測定したところ、326.6μg/dayと高値を示していた。また血清銅 28μg/dl、セルロプラスミン4mg/dlと低値であった。肝組織中の銅含量は174.5μg/g wet tissue(基準値 200μg/g wet tissue未満)であったが、日本先天代謝異常学会の診断基準を満たしておりWilson病と診断した。【結語】健診での肝機能異常を契機に発見され、肝硬変に至っていたWilson病の1例を経験した。原因不明の肝硬変を認めた場合はWilson病も含めた注意深い精査が重要であることが示唆された。 |
索引用語 | Wilson病, 腹腔鏡検査 |