セッション情報 シンポジウム「中国地方における消化器病専門女性医師の活躍と環境整備」

タイトル S-08:

炎症性腸疾患(IBD)診療における女性医師の役割と問題点

演者 平岡 佐規子(岡山大学病院 消化器内科)
共同演者 井口 俊博(岡山大学病院 消化器内科), 半井 明日香(岡山大学病院 消化器内科), 岡田 裕之(岡山大学病院 光学医療診療部), 山本 和秀(岡山大学病院 消化器内科)
抄録 炎症性腸疾患(以下IBD)は若年者に多く発症する病気である.症状は便通に関わり,検査は経肛門の検査となり,診察への抵抗感が強い領域である.さらに,人生の分岐点が多い時期の治療となるため,刻々と変わる生活状況,心理状態を把握し,それらも踏まえた治療選択が必要になる.患者の抵抗感を少しでも和らげ,細やかな治療を行うためには,男性,女性の両者の視点が必要であり,今後IBD医療における女性医師の役割も重要になってくると考える.当科では,現在348人のIBD(男性189人,女性159人,46%)を定期的に診察しているが, 82%を女性医師が外来主治医をしている.女性のIBD患者を女性医師が診るメリットとして,女性特有の心理・思春期の発達への理解,月経・妊娠・出産に関する相談のしやすさ,肛門部の診察・内視鏡検査の抵抗感の軽減などがある.一方で,男性のIBD患者診察時には逆のことが言え,また女性患者の中にも男性医師の診療を望む人も存在するのも確かである.発表では,女性医師が診ることで医学的経過や心理的な面で影響があった症例を中心に検討し,自分自身の実体験も元に,IBD診療における女性医師の役割について考察する.
索引用語 炎症性腸疾患, 女性医師