セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-39:出血性ショックをきたし急激な転帰をとった膵癌十二指腸浸潤の1例 |
演者 | 林 暁洋(鳥取大学医学部 機能病態内科学) |
共同演者 | 斧山 巧(鳥取大学医学部 機能病態内科学), 澤田 慎太郎(鳥取大学医学部 機能病態内科学), 川田 壮一郎(鳥取大学医学部 機能病態内科学), 今本 龍(鳥取大学医学部 機能病態内科学), 池淵 雄一郎(鳥取大学医学部 機能病態内科学), 武田 洋平(鳥取大学医学部 機能病態内科学), 安部 良(鳥取大学医学部 機能病態内科学), 松本 和也(鳥取大学医学部 機能病態内科学), 河口 剛一郎(鳥取大学医学部 機能病態内科学), 原田 賢一(鳥取大学医学部 機能病態内科学), 八島 一夫(鳥取大学医学部 機能病態内科学), 村脇 義和(鳥取大学医学部 機能病態内科学) |
抄録 | 症例は、68歳男性。主訴は、嘔吐、上腹部不快感。20XX年4月に前医を受診し、CT検査で、膵鉤部腫瘍と十二指腸水平部狭窄、転移性肝腫瘍を認めた。精査・加療目的に当院に転院となった。EUS-FNAにて病理組織学的に膵癌(adenocarcinoma)と診断した。第12病日に十二指腸水平部の狭窄部に十二指腸用金属ステントを留置した。StageIVb,T4N0M1(HEP)と診断し、第15病日から化学療法S-1+GEM併用療法を開始した。有害事象として、白血球減少Grade3をきたし、減量したが再び白血球減少を認めたため、第43病日からGEM単剤療法を開始した。食事は全量摂取でき、全身状態は安定していた。第55病日の午前に気分不良、冷や汗、血圧低下を認めた。補液を行うも、血圧60~70mmHgが続き、4時間後に吐血した。上部消化管内視鏡検査を施行したところ、十二指腸ステント部からの出血と思われたが、活動性の出血は認めず、止血処置不可であった。約10時間後に意識レベルが低下し、死亡確認となった。家族の同意を得て、病理解剖を行った。ステント周囲に十二指腸固有筋層より深い潰瘍形成がみられ、膵癌内の弾性動脈が破綻しており、その部位より出血をきたしたと考えられた。腫瘍は壊死を来たしており、壊死内には細菌の増殖も見られた。今回、われわれは出血性ショックにて急激な転帰をとった膵癌の1例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 膵癌, 出血 |