セッション情報 |
一般演題
|
タイトル |
O-02:結腸結腸瘻を形成したS状結腸憩室炎の1例
|
演者 |
白澤 友宏(山口大学大学院 医学系研究科 消化器病態内科学) |
共同演者 |
橋本 真一(山口大学大学院 医学系研究科 消化器病態内科学), 横田 恭之(山口大学大学院 医学系研究科 消化器病態内科学), 柴田 大明(山口大学大学院 医学系研究科 消化器病態内科学), 坂井田 功(山口大学大学院 医学系研究科 消化器病態内科学) |
抄録 |
【症例】70歳代,女性.【現病歴】これまで憩室炎を繰り返していたが,保存的加療で軽快していた.2009年に施行したCTではS状結腸の壁肥厚と憩室の多発を認めたが,瘻孔や膿瘍の形成はなかった.その後は腹痛を認めず,排便状況も良好であったが,S状結腸の壁肥厚をCTにて指摘されていたため,経過観察目的にて2011年9月に当科へ検査入院となった.【既往歴】20歳代にBasedow病に対する手術施行.2007年臍ヘルニアに対する手術施行.高血圧と脂質異常症に対して当科で内服加療中であった.頻尿を認めており,近医泌尿器科にて抗生剤を処方されていた.【家族歴】特記事項なし.【入院後経過】polyethylene glycol(PEG)を内服し腸管を拡張後にDynamic CTを撮影するCT enterographyを施行したところ,S状結腸の一部に造影効果の増強を伴う壁肥厚を認め,慢性憩室炎に伴う変化と考えられた.同部位の管腔は狭小化しており,近傍に膿瘍を疑う病変を認めており,狭窄の口側と肛門側に瘻孔を形成しているようであった. 同日に大腸内視鏡検査を施行したところ,S状結腸は著明に狭窄しており内視鏡の通過は不能であった.狭窄部には残便が多量に存在しており,直腸には残便を認めないことから,内服したPEGはS状結腸の狭窄部ではなく瘻孔を通過して排出された可能性が高いと考えられた.今後,腹膜炎や腸閉塞を発症する可能性があると考えられたため,当院外科にてS状結腸部分切除術が施行され,膿瘍も同時に摘出された.【考察】これまでの報告ではS状結腸憩室炎に膀胱瘻を合併した症例は多数報告されているが,結腸結腸瘻を形成した症例は稀であり,文献的考察を加えて報告する. |
索引用語 |
S状結腸憩室, 結腸結腸瘻 |