セッション情報 一般演題

タイトル O-09:

マントル細胞リンパ腫、肝細胞癌、肺癌を同時に発症した一例

演者 森本 光作(岡山市立市民病院 消化器センター)
共同演者 西村 守(岡山市立市民病院 消化器センター), 佐藤 雄紀(岡山市立市民病院 消化器センター), 難波 次郎(岡山市立市民病院 消化器センター), 石川 立則(岡山市立市民病院 血液腫瘍センター), 三道 康永(岡山市立市民病院 血液腫瘍センター), 原 嘉孝(岡山市立市民病院 血液腫瘍センター), 牧田 雅典(岡山市立市民病院 血液腫瘍センター), 山本 和彦(岡山市立市民病院 血液腫瘍センター), 今城 健二(岡山市立市民病院 血液腫瘍センター), 大西 理乃(岡山市立市民病院 肝疾患センター), 湧田 暁子(岡山市立市民病院 肝疾患センター), 狩山 和也(岡山市立市民病院 肝疾患センター), 濱田 英明(岡山市立市民病院 外科)
抄録 症例は58歳男性。2012年6月に検診で胸部異常陰影を指摘され再検査にて甲状腺周囲と胃に異常所見を認めたため、近医を受診した。上部内視鏡検査にて胃体部を中心に巨大皺襞と潰瘍性病変を認め、精査加療目的にて当院紹介となった。PET-CTでは甲状腺、胃、頸部、縦隔、気管支周囲、腹腔内、後腹膜リンパ節にFDG異常集積を認めた。上部内視鏡検査では食道、胃、十二指腸全可視範囲と、下部内視鏡検査では回盲部に粘膜下隆起を主体とした病変を認め、マントル細胞リンパ腫StageIVBMと診断された。Rituximab先行投与後、難治性としてBendamustineとの併用療法を開始した。マントル細胞リンパ腫の経過は釣行であったが、同年9月3コース終了後、CTにて肝S7の低吸収域が増大傾向のため、肝生検を行い肝細胞癌と診断された。肝細胞癌に対してはRFAを施行し、TS-1内服にて経過観察となっていたが、肝S7領域に肝細胞癌の再発を認めたため計3回RFAを施行した。その後も肝S4、7に肝細胞癌の再発が見られた。また同年11月にPET-CTにて左肺S1+2、3領域に腫瘤を認めたため、胸腔鏡下肺葉切除術を施行したところ、低分化原発性肺癌であった。切除断端陰性にて経過観察となっていたが、翌年1月に発熱、左胸痛が出現し、胸水貯留を認めた。胸水細胞診にてclassVであったため癌性胸膜炎と診断し、再発肝細胞癌への奏功も期待しS-1、CBDCA併用療法を開始した。本例ではリンパ腫の経過は良好であり、肺癌が予後を規定している可能性が高いと考え、上記の化学療法を選択したが、重複癌においては単なる複数の癌の合併としてではなく、各科の枠を超えた総合的な治療戦略が必要である。
索引用語 重複癌, 化学療法