セッション情報 一般演題

タイトル O-40:

IPMN術後再発例の検討

演者 山本 直樹(岡山大学病院 消化器内科)
共同演者 加藤 博也(岡山大学病院 消化器内科), 野間 康宏(岡山大学病院 消化器内科), 堀口 繁(岡山大学病院 消化器内科), 原田 亮(岡山大学病院 消化器内科), 堤 康一郎(岡山大学病院 消化器内科), 岡田 裕之(岡山大学病院 消化器内科), 山本 和秀(岡山大学病院 消化器内科)
抄録 【目的】IPMNは国際診療ガイドラインで術後の経過観察の必要性が示されている。今回、術後再発を来たした症例について臨床病理学的に検討した。【方法】2003年10月から2012年11月に当院で切除となった75症例中、術後再発を来たした4例(5.3%)を対象とした。内訳は、男性3例、女性1例、年齢中央値64.5(39~79)歳、主膵管型1例、混合型1例、分枝型2例であり、術式はPD3例、DP1例であった。検討項目は、1)画像所見、病理所見、組織亜型、2)術後治療経過、3)再発期間・所見とした。【結果】【症例1】1)主膵管型(主膵管径7mm/結節高5mm)、浸潤癌/pStage2:T2N0M0、胆膵型、2)Adjuvantなし、3)15か月後に主膵管内結節、【症例2】1)混合型(主膵管径8mm/結節高2mm、分枝径50mm/結節なし)、浸潤癌/pStage4a:T4N0M0、胆膵型、2)Adjuvant GEM、3)15か月後腹膜播種、【症例3】1)分枝型(主膵管径4mm/結節なし、嚢胞径75mm/結節高27mm)、浸潤癌/pStage4a:T4N0M0、腸型、2)Adjuvant GEM、3)13か月後肝・肺転移、【症例4】1)分枝型(主膵管径6mm/結節なし、嚢胞径39mm/結節高8mm)、浸潤癌/pStage4a:T3N2M0、胆膵型、2)Adjuvant GEM、3)17か月後肝転移、であった。いずれの症例も切除断端は陰性であった。【結論】IPMNの術後再発を5.3%に認めた。4例いずれの手術もR0が得られており、またAdjuvantでGEMも投与されている症例でも、比較的早期に再発をしている。特に4例中3例は組織亜型が胆膵型であり、これら3例の画像所見としては結節径も小さく、明らかな悪性所見とは言えない所見だが、遠隔転移などで再発している。胆膵型は亜型の中で最も予後不良であり、画像所見や病理所見で悪性度が強くない場合でも、術後は可及的速やかにAdjuvantでTS-1を導入するなど、浸潤や転移を考慮した術後の加療・フォローアップが重要と思われた。
索引用語 IPMN, 術後再発