セッション情報 中国支部研修医奨励賞(卒後2年目迄)

タイトル JR-01:

未分化型早期胃癌のESD後経過観察中に異時性未分化型早期胃癌を認めた1例

演者 清下 裕介(広島大学病院 内視鏡診療科)
共同演者 松尾 泰治(広島大学病院 内視鏡診療科), 岡 志郎(広島大学病院 内視鏡診療科), 佐野村 洋次(広島大学病院 内視鏡診療科), 卜部 祐司(広島大学病院 内視鏡診療科), 品川 慶(広島大学病院 消化器・代謝内科), 吉田 成人(広島大学病院 内視鏡診療科), 日山 亨(広島大学病院 内視鏡診療科), 上野 義隆(広島大学保健管理センター), 伊藤 公訓(広島大学病院 内視鏡診療科), 北台 靖彦(広島大学病院 消化器・代謝内科), 田中 信治(広島大学病院 消化器・代謝内科), 吉原 正治(広島大学保健管理センター), 茶山 一彰(広島大学病院 内視鏡診療科)
抄録  症例は50歳代女性。家族歴、既往歴に特記事項なし。機会飲酒、喫煙歴なし。2005年12月、近医で検診目的に受けた上部消化管内視鏡検査(EGD)で胃体下部大弯に陥凹型病変(生検でGroup 5, tub2)を指摘されたため、精査加療目的に当科紹介入院となった。当科でのEGDでは、体下部大弯に径15mm大、褪色調の0-IIc病変で超音波内視鏡検査(EUS)でcMであった。周囲4点生検後にESDを施行した。病理組織学的所見はpor2, pM, ly(-), v(-), pHM0, pVM0であった。その後、経過観察されていたが2009年4月のEGDで体下部大弯のESD後scarより離れた口側に径15mm大、褪色調の0-IIc病変を認めた。生検でGroup 4であった。EUSでcMであり、ESDを施行した。病理組織学的所見はtub1>tub2, pM, ly(-), v(-), pHM0, pVM0であった。2010年6月のEGDで体中部大弯に径10mm大、褪色調の0-IIc病変を認め、生検ではGroup 5(Por)であった。EUSでcMであり、ESDを施行した。病理組織学的所見はpor2>sig, pM, ly(-), v(-), pHM1, pVM0であった。異時性胃癌が多発することと本人の強い希望があり、同年8月に当院外科で胃全摘術を施行した。切除標本では、遺残病変、多発病変、リンパ節転移は認めなかった。
 これまで未分化型早期胃癌ESD後の異時性未分化型早期胃癌例の報告は少なく、文献的考察を加えて報告する。
索引用語 未分化型早期胃癌, 異時性