セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-03:タクロリムスによる寛解導入後の再燃に対しインフリキシマブがその後の維持に有用であった潰瘍性大腸炎の2例 |
演者 | 永井 健太(広島大学病院 消化器代謝内科) |
共同演者 | 上野 義隆(広島大学病院 内視鏡診療科), 田中 信治(広島大学病院 内視鏡診療科), 林 亮平(広島大学病院 消化器代謝内科), 岡 志郎(広島大学病院 内視鏡診療科), 吉田 成人(広島大学病院 内視鏡診療科), 日山 亨(広島大学保健管理センター), 伊藤 公訓(広島大学病院 消化器代謝内科), 北台 靖彦(広島大学病院 消化器代謝内科), 吉原 正治(広島大学保健管理センター), 茶山 一彰(広島大学病院 消化器代謝内科) |
抄録 | 【背景】これまで難治性潰瘍性大腸炎(UC)に対するタクロリムス(TAC)の有効性は数多く報告されてきているが、維持中に再燃する症例は少なくない。今回我々は、TACで寛解導入後、再燃した症例に対し、インフリキシマブ(IFX)が有効であった2症例を経験したので報告する。【症例1】30歳代、女性。2008年4月に全大腸炎型UCと診断され、経口ステロイド剤及び顆粒球除去療法にて寛解導入された後、5-ASA製剤及びアザチオプリン内服にて寛解維持されていた。2011年9月に血便が出現し、UCの再燃と診断された。5-ASA増量及びステロイド内服行うも改善ないため、TAC導入目的で入院した。TAC内服開始後、約1週間で血便は消失し自覚症状も改善した。退院後、外来にて加療を継続していたが、TAC中止1ヵ月後より、血便及び腹痛が出現し、再燃と診断された。2012年4月よりIFX投与を開始したところ、2回目投与時には症状消失し、寛解と判断した。治療開始10ヵ月後の大腸内視鏡検査では粘膜治癒をきたしており、寛解が維持できている。【症例2】20歳代、女性。2005年2月に左側結腸炎型のUCと診断され、5-ASA製剤にて加療されていたが、2009年7月に再燃したため入院した。TACにて寛解導入されるも、2010年11月に再燃し入院した。再度、TACにて寛解導入に至った。しかし退院後、外来にて加療継続されていたが、2011年7月に再燃した。8月よりIFX投与を開始したところ、投与開始5日後には血便消失し、2回目投与時には症状も改善し寛解と判断した。治療開始4ヵ月後の大腸内視鏡検査では粘膜治癒をきたしており、以後18ヵ月にわたり寛解維持できている。【まとめ】TACで寛解導入するも寛解維持中に再燃した症例に対してIFX投与が有用であった2症例を経験した。当院でのTAC治療成績等も踏まえ、若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, タクロリムス |