セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-20:A型肝炎ウイルスの分子系統解析により感染地域が同定された急性A型肝炎の1例 |
演者 | 松田 祐依(岡山済生会総合病院 内科) |
共同演者 | 川上 万里(岡山済生会総合病院 内科), 松本 誠司(楠本病院 内科DELIMITER津山中央病院 内科), 藤岡 真一(岡山済生会総合病院 内科), 藤木 茂篤(津山中央病院 内科), 高橋 和明(東芝病院 研究部) |
抄録 | A型肝炎はわが国の衛生状態の改善により国内での発症数が激減し、近年は海外よりの輸入感染例が多い。我々は海外より帰国後に発生したA型肝炎症例で、分子系統解析にて渡航先での感染が明らかになった症例を経験したため、報告する。 【症例】24歳男性。生来健康。20○○年20日間のインド滞在より帰国した翌日38℃台の発熱と全身倦怠感を認めたため近医受診。「感冒」と診断され、PL、抗生剤を処方されたが改善せず、第4病日に津山中央病院内科に来院した。血液検査にて T.Bil 6.7 mg/dl、D.Bil 5.4 mg/dl、AST 3576 IU/l、ALT 4072 IU/l、PT 47 %と肝障害を認めたため入院となり、安静加療と点滴加療にて治癒退院した。IgM-HA抗体が陽性で「A型肝炎」と診断された。保存血清を用いてRT-PCR、ダイレクトシーケンスにより塩基配列を決定し、分子系統解析を実施したところ「genotype IIIA」型と診断され、インド株に近似していたため、感染は渡航先のインドであったことが確認された。 【考察】A型肝炎の遺伝子型は本邦では「genotype IAおよび IIIB」型がほとんどであり、「IIIA」型はインド、スリランカ、ネパールからの報告がある。RT-PCR、ダイレクトシーケンス法を用いた分子系統解析は本疾患の感染地同定に有用であると考えられた。文献的考察を含めて報告する。 |
索引用語 | A型肝炎, genotype |