セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
O-04:大腸hyperplastic polyposis syndromeの臨床病理学的特徴
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演者 |
実綿 倫宏(広島大学病院 内視鏡診療科) |
共同演者 |
日山 亨(広島大学 保健管理センター), 岡 志郎(広島大学病院 内視鏡診療科), 下村 貴子(広島大学病院 内視鏡診療科), 河野 友彦(広島大学病院 消化器代謝内科), 卜部 祐司(広島大学病院 消化器代謝内科), 上野 義隆(広島大学病院 消化器代謝内科), 伊藤 公訓(広島大学病院 消化器代謝内科), 北台 靖彦(広島大学病院 消化器代謝内科), 吉原 正治(広島大学 保健管理センター), 田中 信治(広島大学病院 内視鏡診療科), 茶山 一彰(広島大学病院 消化器代謝内科), 有廣 光司(広島大学病院 病理部), 嶋本 文雄(県立広島病院 人間文化学部健康科学科) |
抄録 |
【背景】大腸hyperplastic polyposis syndrome(HPS)は, 大腸内にhyperplastic polypまたはserrated adenomaが多発する症候群で, 大腸癌のリスクが高いと言われているが, わが国では症例報告が散見される程度で,これまで臨床病理学的特徴に関する報告はなされていない。【目的】わが国におけるHPSの臨床病理学的特徴を明らかにする。【方法】2008年4月から2011年3月の間に,当科およびその関連病院において大腸内視鏡検査を受けた者のうち, HPS のWHO criteriaを満たす10例を対象とした。これら10例の年齢, 性別, 大腸ポリープの数,大腸ポリープの最大径, 局在, 治療方法,組織型, 大腸癌の合併の有無, 合致した診断基準の項目について検討した。【結果】HPS患者の平均年齢は58.3歳で, 6例(60%)が男性であった。いずれの症例も大腸癌の家族歴はなかった。4例(40%)で30個以上のポリープを全大腸に認めており, ポリープ最大径の平均値は19mmであった。3例(30%)で大腸癌の合併を認め, これらの症例では全大腸に多数のポリープを認めた。10例のうち当科で診断されたHPS患者は8例であり, これまで計85病変 (平均10.6病変/例) の内視鏡的摘除術を行った。 その病理組織診断はsessile serrated adenoma/polyp(SSA/P)が31病変 (36%) , traditional serrated adenomaが7病変 (8%) , hyperplastic polypが24病変 (28%) , tubular adenomaが23病変 (27%) であった。【結語】HPS患者は高率に大腸癌を合併しており, ポリープとしてはSSA/P が高頻度であった。HPSは大腸癌のリスクが高いと考えられるため,その認識と正しい診断ならびに注意深い経過観察が必要と考えられた。 |
索引用語 |
hyperplastic polyposis syndrome, 大腸癌 |