セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-22:アデホビルによりFanconi症候群を来たした3症例 |
演者 | 山下 賢(独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 消化器科) |
共同演者 | 河野 博孝(独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 消化器科), 保田 和毅(独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 消化器科), 檜山 雄一(独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 消化器科), 水本 健(独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 消化器科), 木村 治紀(独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 消化器科), 山口 敏紀(独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 消化器科), 山口 厚(独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 消化器科), 桑井 寿雄(独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 消化器科), 高野 弘嗣(独立行政法人国立病院機構呉医療センター・中国がんセンター 消化器科) |
抄録 | Fanconi症候群とは近位尿細管障害により、溶質(糖、アミノ酸、尿酸、リンなど)の再吸収が全般的に障害されている病態である。わが国ではFanconi症候群の後天性要因として薬物(バルプロ酸、抗腫瘍薬)が多いが、アデホビルによる報告例は少ない。今回アデホビルによりFanconi症候群を来たしたと考えられる3症例を経験したので報告する。症例は51歳・男性、62歳・女性、73歳・女性。全例とも慢性B型肝炎に対してラミブジン投与による初期治療を開始し、その後耐性を確認の後にアデホビルを追加投与している。アデホビル投与より、症状発生までの期間はそれぞれ4年・5年・4年であった。症状の発症様式は2例が多発骨折であり、1例は全身倦怠感・食事摂取不良であった。採血検査では全例で低リン血症、低尿酸血症であり、2例で軽度の腎機能低下を伴っていた。基礎疾患の検索において、Fanconi症候群の合併頻度の多いシェーグレン症候群・多発性骨髄腫は否定的であった。蓄尿検査においては、基礎疾患に糖尿病がないにもかかわらず尿糖は陽性であり、また蛋白の流出も認められた。また近位尿細管障害を示す、尿中NAG・β2-ミクログロブリンは異常高値であり、尿細管P再吸収率の低下、尿酸排泄率の上昇、汎アミノ酸排泄の増加を認めた。以上より溶質の全般的な排出増加を認めることから、3例ともFanconi症候群と診断した。診断確定後、2例は原因薬物であるアデホビルを3日に1回投与とし、1例は本人の希望によりアデホビル投与中止し、エンテカビルへと変更した。また同時に全例とも活性型Vit.D3製剤投与開始し、加療を開始した。全例とも月単位で症状は改善しており、経過良好である。アデホビルによりFanconi症候群を来たしたと考えられる3症例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | アデホビル, Fanconi症候群 |