セッション情報 |
シンポジウム「中国地方における消化器病専門女性医師の活躍と環境整備」
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タイトル |
S-07:女性消化器病専門医による女性内視鏡外来の設立と、家庭との両立を支援する当院で取り組み
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演者 |
日吉 智子(独立行政法人国立病院機構 岩国医療センター 消化器内科) |
共同演者 |
谷岡 大輔(独立行政法人国立病院機構 岩国医療センター 消化器内科), 横峰 和典(独立行政法人国立病院機構 岩国医療センター 消化器内科), 藤本 剛(独立行政法人国立病院機構 岩国医療センター 消化器内科), 田中 彰一(独立行政法人国立病院機構 岩国医療センター 消化器内科) |
抄録 |
女性のがん死亡率1位は大腸がんであるが、山口県のがん健診受診率は非常に低い。当院の内視鏡センターでは過去3年間女性医師不在が続いており、今後女性の受診者を増やす一つの対策として、女性専門医による内視鏡検査体制の整備が必須と考えた。演者は昨年まで大学病院に勤務し、内視鏡挿入法・診断技術を習得し、大腸疾患の治療を専門に行ってきた。しかし30歳代半ばとなり、結婚を機に退職し、家事や今後の出産・育児等を含めた家庭生活と仕事の両立をしたいと考えるようになった。今までの経験を生かした大腸内視鏡診療の知識と技術が生かせる地域の拠点病院での勤務が希望であり、現病院での週2回の非常勤採用となった。今後も生活状況に応じた勤務日数の変更も適宜相談可能であり、安心して勤務継続が出来る環境と感じている。勤務内容は内視鏡外来と検査で、特に女性医師による検査を希望する女性患者に対応出来るようにした。就任後は地元新聞社やケーブルテレビによる取材、院内や地元施設向けのパンフレット等も発行し、女性の大腸内視鏡検査(CS)への啓蒙活動を実施している。それらを介し地元の女性からの問い合わせや検査依頼も徐々に増えてきている。また、女性のCSに対する意識調査を当院の女性職員(看護師・薬剤師・事務職等)を対象に実施した。352名から解答が得られ、年齢は20代;135名、30代;90名、40代;84名、50代;41名、60代以上;2名。CSの施行歴がある人は52名(15%)と少なかった。今後CSを受ける際、施行医の希望性別については、CS施行歴がある人は女性医師希望が48%(25/52)であったのに対し、CS未施行者の79%(238/300)が女性医師希望であり有意に多かった(p<0.0001)。CS未施行者では女性医師による検査診療体制が必要である事が示唆され、今後も女性医師の生活環境に応じた職場環境整備は大腸がん対策においても必須と考えられた。 |
索引用語 |
大腸内視鏡, 女性消化器病専門医 |