セッション情報 中国支部専修医奨励賞(卒後3-5年迄)

タイトル SR-04:

IVRを施行した出血性胃十二指腸潰瘍および吻合部潰瘍の検討

演者 村上 麻友(津山中央病院 内科)
共同演者 竹中 龍太(津山中央病院 内科), 坂口 智紘(津山中央病院 内科), 角南 智子(津山中央病院 内科), 野島 一郎(津山中央病院 内科), 岡 昌平(津山中央病院 内科), 濱田 健太(津山中央病院 内科), 馬場 雄己(津山中央病院 内科), 岡崎 倫子(津山中央病院 内科), 赤穂 宗一郎(津山中央病院 内科), 山崎 泰史(津山中央病院 内科), 朝戸 俊行(津山中央病院 内科), 河合 大介(津山中央病院 内科), 高山 裕基(津山中央病院 内科), 竹本 浩二(津山中央病院 内科), 平良 明彦(津山中央病院 内科), 柘野 浩史(津山中央病院 内科), 藤木 茂篤(津山中央病院 内科)
抄録 【目的】出血性胃十二指腸潰瘍に対する止血法は内視鏡的止血術が第一選択であり、高い止血率が報告されている。しかし、内視鏡的止血術が困難で重症化する症例も少数ながら存在し、近年Interventional Radiology(IVR)の有用性が報告されている。今回我々は当院においてIVRを施行した出血性胃十二指腸潰瘍および吻合部潰瘍症例について検討した。【方法】当院にて2000年4月~2012年12月に経験した出血性胃十二指腸潰瘍および吻合部潰瘍症例948例のうち内視鏡的止血が困難と判断し、IVRに移行した5例に関して年齢、性別、潰瘍部位、出血状態(Forrest分類)、止血困難理由、在院日数、経過について検討した。【結果】対象患者5例の年齢は37~78歳(中央値65歳)、性別は男性4例、女性1例、潰瘍部位としては胃2例、十二指腸2例、吻合部1例であった。Forrest分類はIaが2例、IIaが3例で、内視鏡的止血困難理由は視野確保困難例が2例、太い露出血管が3例であった。なお、太い露出血管を有した3例については動脈造影上、仮性動脈瘤を形成していた。いずれの症例もIVRにて緊急止血が得られた。IVR施行翌日に再吐血し、他部位の露出血管から噴出性の出血を認め、ソフト凝固法にて再止血した症例を1例認めた。またIVR施行前から出血性ショックを呈していた1例については止血後も循環動態維持できず、IVR施行翌日に死亡した。死亡例を除いた症例の在院日数は7~17日(中央値14日)であった。内視鏡的に経過の追えた4例のうち3例は2ヶ月経過後も潰瘍の瘢痕化が得られず、潰瘍治癒の遷延が認められた。【結論】IVRは内視鏡的止血困難な出血性胃十二指腸潰瘍および吻合部潰瘍症例に対する有用な二次治療となりうると考えられた。しかしながらIVRでも救命できない症例や潰瘍治癒の遷延する症例が存在することもあり、今後さらなる症例の集積が必要である。
索引用語 出血性胃十二指腸潰瘍, IVR