セッション情報 一般演題

タイトル O-34:

門脈本幹内腫瘍塞栓合併巨大肝内胆管細胞癌に対し、IA-call+TS-1にて1年超の生存が可能であった一例

演者 大山 淳史(岡山市立市民病院 肝疾患センター)
共同演者 狩山 和也(岡山市立市民病院 肝疾患センター), 能祖 一裕(岡山市立市民病院 肝疾患センターDELIMITER岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 分子肝臓病学), 大西 理乃(岡山市立市民病院 肝疾患センター), 湧田 暁子(岡山市立市民病院 肝疾患センター), 西村 守(岡山市立市民病院 肝疾患センター), 東 俊宏(岡山市立市民病院 肝疾患センター)
抄録 症例は72歳女性。既往歴は高血圧、糖尿病、胆嚢炎による胆のう摘出術後。職歴として印刷業勤務あり。2011年10月上腹部痛を自覚し、精査目的で当院内科紹介。CT・MRIにて肝に巨大腫瘍と門脈腫瘍塞栓を認めたため入院の上肝生検を施行。生検の結果CK-7陽性で肝内胆管細胞癌(ICC)と診断。また、腰椎転移を伴っており十分なインフォームドコンセントの上リザーバー留置しアイエーコール®動注術(HAIC)を施行。HAIC動注を2コース後、腰痛訴えあり、精査にて腰椎圧迫骨折を認めた。骨転移に対し動注と平行してTS-1の80mg/日を2週投与2週休薬で追加投与開始した。その後IA-call+TS-1のレジメンにて11コースHAIC施行。効果判定ではPR-SDであった。2012年10月に12コース目的にて入院するも、当初より疼痛コントロール不良であり、ゾメタ®やデュロテップ®増量で対応した。また右胸水の増加も著明となり、入院中に計3回胸水穿刺(1000-1500ml/回)を行なったが、徐々にADL低下認め、HAIC不能となった。BSCを勧めたが、ご家族の希望により11月よりUFTの内服開始。内服開始後嘔気・眠気等の副作用が出現しUFT内服は一週間で中止。その後も徐々に衰弱進行して、ご家族と相談の上ホスピスへ転院の方針となった。ホスピスにて2012年12月永眠された。多発骨転移・門脈本幹内腫瘍塞栓を合併した巨大ICCに対し、IA-callとTS-1併用により1年超の生存が可能であった一例を経験したため若干の文献的考察を加えて報告する。
索引用語 肝内胆管細胞癌, 門脈腫瘍塞栓