セッション情報 中国支部研修医奨励賞(卒後2年目迄)

タイトル JR-04:

周期性血小板減少症に薬剤関連性小腸粘膜障害を合併した1例

演者 西村 達朗(山口大学大学院 医学系研究科 消化器病態内科学)
共同演者 橋本 真一(山口大学大学院 医学系研究科 消化器病態内科学), 白澤 友宏(山口大学大学院 医学系研究科 消化器病態内科学), 横田 恭之(山口大学大学院 医学系研究科 消化器病態内科学), 柴田 大明(山口大学大学院 医学系研究科 消化器病態内科学), 坂井田 功(山口大学大学院 医学系研究科 消化器病態内科学)
抄録 【症例】70歳代,男性.【現病歴】周期性血小板減少症および陳旧性心筋梗塞,慢性甲状腺機能低下症に対して当院で加療中であった.2008年に血小板減少期に一致して,黒色便を認めたため当科紹介となり,上部・下部消化管内視鏡検査を施行したが出血源の同定には至らなかった.2011年にも黒色便を認めたため当科紹介となり,上部消化管内視鏡検査にて出血源を認めなかったため,カプセル内視鏡検査を施行したところ,小腸にびらんや潰瘍の多発を認めたためアスピリン起因性小腸粘膜障害と診断した.冠動脈ステント留置術後であったためアスピリンの中止にともなう狭心症の危険性が高く,血小板数が回復すると黒色便が消失していたため,アスピリンの内服は継続したが,2カ月後に再入院となった.絶食にて自然止血し退院となったが,血小板減少期に再出血をきたす可能性が高かったため,血小板減少期は半消化態栄養を摂取するようにしたところ,入院が必要な程の出血は認めなくなった.2012年12月にめまいと脱力感を自覚し,当院受診したところ血小板が4.3万/μLまで減少しており,Hbも6.4g/dlまで低下していたため同日緊急入院となった.【既往歴】13年前に脾臓摘出術施行.2006年に冠動脈ステント留置術施行.【家族歴】特記事項なし.【入院後経過】直腸指診にて黒色便の付着を認めたが,上部消化管内視鏡検査では異常を認めなかった.濃厚赤血球製剤の投与を行ったが,血小板数が1.6万/μLまで低下したため血小板輸血の投与も行った.血小板数が自然に増加するに伴い,Hb値も安定し食事開始後も貧血の進行はなかった.循環器内科との協議の結果,アスピリンを中止することになり,その後はHb 12g/dl以上を推移しておりカプセル内視鏡検査でもびらんや潰瘍の治癒傾向を認めた.【考察】周期性血小板減少症に薬剤関連性小腸粘膜障害を合併したため,難治性の消化管出血が長期間継続した症例を経験した.出血は血小板減少期にのみ認めたが,再出血の予防に難渋し,アスピリンの中止が必要となった.
索引用語 周期性血小板減少症, 薬剤関連性小腸粘膜障害