セッション情報 | 中国支部研修医奨励賞(卒後2年目迄) |
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タイトル | JR-10:RituximabとBendamustine併用治療後にHBV再活性化を認めたHBs抗原陰性の再発性濾胞性リンパ腫の一例 |
演者 | 田端 哲也(総合病院岡山市立市民病院) |
共同演者 | 山本 和彦(総合病院岡山市立市民病院 血液腫瘍センター), 清家 圭介(総合病院岡山市立市民病院 血液腫瘍センター), 三道 康永(総合病院岡山市立市民病院 血液腫瘍センター), 石川 立則(総合病院岡山市立市民病院 血液腫瘍センター), 原 嘉孝(総合病院岡山市立市民病院 血液腫瘍センター), 牧田 雅典(総合病院岡山市立市民病院 血液腫瘍センター), 狩山 和也(総合病院岡山市立市民病院 肝疾患センター), 今城 健二(総合病院岡山市立市民病院 血液腫瘍センター) |
抄録 | 【緒言】難治性、再発性の低悪性度B細胞性リンパ腫に対してBendamustineが本邦でも使用できるようになり、今後、RituximabとBendamustine併用療法(R-B療法)を行う機会は増えていくと思われる。Rituximab投与例においてHBVの再活性化、肝炎発症が知られているが、HBs抗原陰性例からの発症も報告されている。今回、R-B療法後にHBV再活性化を認めたHBs抗原陰性の再発性濾胞性リンパ腫の一例を経験したので報告する。【症例】79歳、男性。【現病歴】2005年7月発症の濾胞性リンパ腫(Grade1)、StageIV, IPI:high intermediateに対してRituximabを併用したTHP-COP療法を6コース施行し完全寛解となった。2012年9月、右頚部リンパ節腫大あり生検にて濾胞性リンパ腫再発と診断された。生検術前検査ではHBs抗原は陰性だった。Rituximab単剤治療を行ったが、2013年1月に再増大を認め、2月よりR-B療法を導入した。経過良好だったが2月末に脳梗塞発症し当院脳外科入院となった。患者はB型肝炎の明らかな既往や輸血歴もなかったが、入院時にHBs抗原は31700IU/mlと著明に上昇していた。肝機能異常はなかったが、R-B療法導入によるB型肝炎ウイルスの再活性化と考え、Entecavirの内服を開始した。現在のところ肝機能異常なく、肝炎の発症は認めていない。【考察】本症例はB型肝炎罹患歴がなく、これまでのHBs抗原検査も陰性であり、Rituximabを含む化学療法を過去に施行されてきた。今回、R-B療法1コース終了後にHBs抗原の著明な上昇が偶然に発見され、抗ウイルス薬を早期介入することができた。Rituximab治療を行う患者においてHBs抗原、HBc抗体、HBs抗体のスクリーニングが推奨されるが、HBc抗体、HBs抗体については十分ではない。R-B療法後のHBV再活性化の報告は現在のところ数例のみであり、症例の蓄積が必要と思われる。 |
索引用語 | HBV, 悪性リンパ腫 |