セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
O-44:Lipomatous Pseudohypertrophy of the Pancreas(LPP)と考えられた重症膵外分泌不全の一例
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演者 |
山口 哲志(岡山市民病院 消化器センター) |
共同演者 |
西村 守(岡山市民病院 消化器センター), 岸田 雅之(岡山市民病院 内分泌代謝内科), 片山 貴(岡山市民病院 内分泌代謝内科), 小松原 基志(岡山市民病院 内分泌代謝内科), 佐藤 雄紀(岡山市民病院 消化器センター), 難波 次郎(岡山市民病院 消化器センター), 東 俊宏(岡山市民病院 消化器センター) |
抄録 |
【症例】85歳、男性。【主訴】全身浮腫。【現病歴】元々ADLは低く、一人暮らしであった。週に3回ヘルパーが来ていた。来院2ヶ月程前より全身に浮腫が出現し、元々便はゆるかったが徐々に下痢になった。1ヶ月程前から食後に嘔気があり、嘔吐もときどきあった。また心窩部痛も認めていた。来院数日前より朝、夜に汗がでる症状も出現していた。来院前日にケーキとチキンを食べてから下痢をしていた。近医の医師が往診し利尿薬、点滴などで対応していたが改善せず、全身倦怠感が強いため当院救急外来に紹介となった。血液検査ではCr:2.05mg/dl,Alb:2.5mg/dl,ChE122IU/L と腎機能低下、低アルブミン血症、コリンエステラーゼ低値を認めた。胸部レントゲン、CTにて両側胸水貯留、腹水貯留を認め、腹部CTでは本来膵臓がある部位には脂肪と思われる低吸収領域を認めた。脱水による腎前性腎不全、低栄養と考えられ、精査加療目的に入院となった。入院後の血液検査では、膵由来のアミラーゼはほとんど認められず、他の膵外分泌酵素は低値を示した。膵外分泌機能不全による栄養障害により、下痢と浮腫をきたしていると考えられた。血糖コントロールは良好であった。【考察】LPPは通常膵全体が正常脂肪組織に置換されるものの膵内分泌機能は比較的保たれるが、膵外分泌機能のみ障害された症例がまれではあるが散見されており貴重な症例と思われ報告する。 |
索引用語 |
Lipomatous Pseudohypertrophy of the Pancreas, 膵外分泌不全 |