セッション情報 一般演題

タイトル O-06:

大腸憩室出血における再出血のリスク因子についての検討

演者 東 玲治(広島市立広島市民病院 内科)
共同演者 大江 啓常(広島市立広島市民病院 内科), 松本 恵子(広島市立広島市民病院 内科), 大林 由佳(広島市立広島市民病院 内科), 河村 良太(広島市立広島市民病院 内科), 佐々木 美緒(広島市立広島市民病院 内科), 中野 憲仁(広島市立広島市民病院 内科), 溝口 理恵(広島市立広島市民病院 内科), 安部 真(広島市立広島市民病院 内科), 栗原 啓介(広島市立広島市民病院 内科), 二宮 悠樹(広島市立広島市民病院 内科), 澤原 大明(広島市立広島市民病院 内科), 秋元 悠(広島市立広島市民病院 内科), 土肥 千紘(広島市立広島市民病院 内科), 平尾 謙(広島市立広島市民病院 内科), 小川 恒由(広島市立広島市民病院 内科), 中川 昌浩(広島市立広島市民病院 内視鏡内科), 水野 元夫(広島市立広島市民病院 内科)
抄録 【背景と目的】我々は大腸憩室出血の診断に造影CTが有用(日消誌,2011)で、クリップ止血術が有意にその再出血率を低下させる(日消誌,2012)ことを報告した。さらにクリップ止血術では高率に再出血を認めた活動性出血例に対して内視鏡的結紮術(EBL:endoscopic band ligation)が有用であることも報告した(JDDW2012)。大腸憩室出血をきたすリスク因子についての報告は多数認められるが、再出血のリスク因子についての報告は少ない。そこで、今回我々は大腸憩室出血における再出血のリスク因子についての検討を行った。【対象と方法】対象は2005年4月~2012年8月の間に血便を主訴に入院し、造影CT並びに下部消化管内視鏡検査で大腸憩室出血と診断した217症例のうち、出血憩室を同定できず自然止血し経過観察となった57症例(1例重複)(M/F:35/21、年齢67±12歳)を対象とした。再出血のリスク因子として、以下の項目を検討した:性別、年齢、造影CTでの血管外漏出像、内服薬(抗血小板剤、抗凝固剤、ステロイド、NSAIDs)、基礎疾患(腎不全、高血圧、高脂血症、糖尿病、脳心血管疾患)、来院時の血液data(WBC、Hb、CRP)、ショック、血便歴、BMI、輸血の有無。【結果】再出血率は47.3%(27/57)であった。検討項目に対して単変量解析を行うと、性別;p=0.56、年齢;p=0.18、造影CTでの血管外漏出像21%;p=0.83、抗血小板剤内服40%;p=0.11、抗凝固剤内服5.2%;p=0.62、ステロイド内服3.6%;p=0.9、NSAIDs内服11%;p=0.89、腎不全3.5%;p=0.94、高血圧44%;p=0.65、高脂血症7.1%;p=0.33、糖尿病21%;p=0.39、脳心血管疾患42%;p=0.2、WBC7729±2872;p=0.77、Hb10.8±2.1;p=0.68、CRP0.45±1.3;p=0.22、ショック21%;p=0.39、血便歴53%;p=0.41、BMI24.1±4.4;p=0.96、輸血の有無28%;p=0.043で、入院中の輸血のみが統計学的に有意であった。【結論】自然止血し経過観察となった大腸憩室出血症例で、輸血を必要とする重症例では再出血率が有意に高い。
索引用語 大腸憩室出血, 再出血