セッション情報 一般演題

タイトル O-24:

インターフェロン療法著効(SVR)後に肝硬変に進展したC型慢性肝炎の1例

演者 宮武 宏和(広島市立広島市民病院 内科)
共同演者 岡本 良一(広島市立広島市民病院 内科), 岩堂 昭太(広島市立広島市民病院 内科), 小林 功幸(広島市立広島市民病院 内科), 植松 周二(広島市立広島市民病院 内科), 水野 元夫(広島市立広島市民病院 内科), 荒木 康之(広島市立広島市民病院 内科), 中村 利夫(なかむら内科クリニック)
抄録 【はじめに】C型慢性肝炎患者においてインターフェロン(IFN)療法によってウイルス学的著効(SVR)を得ることで肝線維化進展が抑制されることが知られている。今回、IFN療法SVR後2年経過後に肝硬変に進展した一例を経験したので報告する。【症例】70歳男性【既往歴】急性腎不全(平成21年;薬剤性間質性腎炎の疑い)【飲酒歴】あり (平成11年まで5合/日、以後完全に禁酒)。【現病歴】C型慢性肝炎に対し平成11年にIFNα-2b単剤にて加療したが無効。平成19年8月Peg-IFNα2b+レベトール(RBV)併用療法48週施行した。Peg-IFN+RBV療法施行前のエコー下肝生検では Chronic hepatitis、F2A1であった。ICG検査ではR15 7.4%、K 0.174であった。治療終了時点でウイルスは陰性化していたが2ヶ月で再燃。平成21年1月に再度Peg-IFNα2b +RBV+ローコール併用療法48週にてSVRとなり、以後近医加療となっていた。平成23年6月に一過性の肝障害あり(AST615IU/ml、薬剤性肝障害の疑い)。平成24年4月 腹水貯留が出現し精査加療目的にて当院紹介受診となった。入院時検査所見では、WBC 4900/μl、RBC 292×104/μl、Hb 10.2g/dl、PLT 19.8×104/μl、T.bil 0.7mg/dl、D.Bil 0.4mg/dl、AST 30 IU/L、ALT 13 IU/L、γGTP 183 IU/L、ALP 654 IU/L、γ-GTP 183 IU/L、BUN 14mg/dl、Cr 1.02 mg/dl、CRP 0.026 mg/dl、PT 90.1%、IgG 1279mg/dl、IgA 400 mg/dl、IgM 27mg/dl、ANA×40、AMA-M2 <5 U/ml、HCVRNAは陰性が維持されていた。腹部超音波検査では慢性肝障害及び少量の腹水貯留を認めた。超音波ガイド下肝生検を施行したところ、Glisson鞘では中等度から高度に拡大及び形質細胞を含んだ炎症細胞浸潤を中等度まで認め、一部の切片では胆管消失も疑われた。また大小の偽小葉の形成を認めF4A1と診断した。IFN療法による自己免疫性肝炎の発症や胆管消失像から原発性胆汁性肝硬変の合併を考え加療中である。
索引用語 インターフェロン, SVR