セッション情報 一般演題

タイトル O-26:

C型慢性肝炎に対するTelaprevir/PegIFN/RBV併用療法の成績

演者 藤野 初江(広島大学病院 消化器・代謝内科)
共同演者 長沖 祐子(広島大学病院 消化器・代謝内科), 今村 道雄(広島大学病院 消化器・代謝内科), 小林 知樹(広島大学病院 消化器・代謝内科), 福原 崇之(広島大学病院 消化器・代謝内科), 苗代 典昭(広島大学病院 消化器・代謝内科), 中原 隆志(広島大学病院 消化器・代謝内科), 宮木 大輔(広島大学病院 消化器・代謝内科), 河岡 友和(広島大学病院 消化器・代謝内科), 高木 慎太郎(広島大学病院 消化器・代謝内科), 柘植 雅貴(広島大学病院 消化器・代謝内科), 平松 憲(広島大学病院 消化器・代謝内科), 相方 浩(広島大学病院 消化器・代謝内科), 兵庫 秀幸(広島大学病院 消化器・代謝内科), 川上 由育(広島大学病院 消化器・代謝内科), 越智 秀典(広島大学病院 消化器・代謝内科), 高橋 祥一(広島大学病院 消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大学病院 消化器・代謝内科)
抄録 【目的】C型慢性肝炎に対するTelaprevir/PegIFN/RBV併用療法の治療効果および安全性を検討した.【対象と方法】対象は当科においてTelaprevir/PegIFN/RBV併用療法を導入した1型高ウイルス量のC型慢性肝炎患者87例.男性49例/女性38例,年齢中央値62歳,66歳以上23例(26%).IL28B (rs8099917) TT 63例/TG/GG 24例,ITPA(rs1127354)CA/AA 20例/CC 67例,Core70野生型50例/変異型21例/mix1例/ND11例,初回治療30例/前治療再燃35例/前治療無効22例.開始時Telaprevir量は2250mg投与群54例/1500mg投与群32例であった.【成績】1)全症例のSVR12は81%であった.IL28Bgyenotype別のSVR12はIL28BTT88%/TG・GG65%(P=0.031)であった.RVR率は82%で因子別では男性86%/女性77%,65歳以下88%/66歳以上68%,初回治療93%/全治療再燃87%/全治療無効67%,IL28BTT81%/TG・GG87%,TVR開始量2500mg投与群88%/1500mg投与群75%であり,SVR12に寄与する因子は多変量解析でIL28BTTが抽出された(P=0.039 HR 3.985 95%C.I10.75-14.696).2) 66歳以上の高齢者ではSVR12は71%で65歳以下87%とほぼ同等であったが,貧血症状はより強く生じ,治療8週目の平均ヘモグロビン値は若年者で10.3,高齢者で8.2 g/dLであり,治療中止基準となる8.5未満となる症例の割合は,若年者の42%に対し,高齢者では86%と有意に高かった(P=0.019;HR11.7).3)Telaprevir投与量別での検討では,SVR12は2250mg投与群83%/1500mg投与群80%(P=0.087)でほぼ同等であった. 4)皮膚障害は62例(71%)で生じ,Grade 1/2/3は32/21/9例.治療開始から皮膚障害出現時期は,76%が1週間以内であった.年齢別では,65歳以下70%(45例、Grade 1/2/3:28/13/7例)/66歳以上65%(15例、Grade 1/2/3:5/8/2例)と同程度であり,Telaprevir投与量別でも,2250mg投与群78%/1500mg投与群61%でほぼ同等であった.【結語】Telaprevir/PegIFN/RBV併用療法の初期の抗ウイルス効果は高く, IL28B はSVR12に寄与する独立因子であった. 年齢別やTelaprevir投与量別のSVR12や皮膚障害の出現率はほぼ同等であったが,高齢者は貧血を生じやすく注意を要する.
索引用語 テラプレビル, C型慢性肝炎