セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-33:眼窩内に転移した肝細胞癌の一例 |
演者 | 吉福 良公(広島大学病院 消化器・代謝内科) |
共同演者 | 平松 憲(広島大学病院 消化器・代謝内科), 菅 宏美(広島大学病院 消化器・代謝内科), 藤野 初江(広島大学病院 消化器・代謝内科), 小林 知樹(広島大学病院 消化器・代謝内科), 福原 崇之(広島大学病院 消化器・代謝内科), 苗代 典昭(広島大学病院 消化器・代謝内科), 宮木 大輔(広島大学病院 消化器・代謝内科), 河岡 友和(広島大学病院 消化器・代謝内科), 柘植 雅貴(広島大学病院 消化器・代謝内科), 今村 道雄(広島大学病院 消化器・代謝内科), 兵庫 秀幸(広島大学病院 消化器・代謝内科), 川上 由育(広島大学病院 消化器・代謝内科), 相方 浩(広島大学病院 消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大学病院 消化器・代謝内科) |
抄録 | 肝細胞癌(HCC)は,その治療法の進歩に伴い,進行癌に対しても積極的に治療を行えるようになってきた.また,抗ウイルス療法やBCAA補充療法などで,担癌患者の肝予備能を維持することにより,以前と比べてより長い期間,反復加療が可能となってきた.このため,日常の診療においても,他臓器への転移を伴う肝細胞癌患者に遭遇する機会は多くなっている.転移先の臓器は肺が最も多く,ついで骨,副腎,腹膜,胃,腎臓,脳,脾臓などが多いとされている.今回我々は,眼窩内に転移した比較的まれな症例を経験したので報告する.症例は70歳代女性.40歳代に原因不明の慢性肝炎と診断されたが,特別な治療や定期的な画像検査等のフォローは受けていなかった.20XX年1月右眼瞼腫脹,圧痛を主訴に近医受診し,CT,MRIにて右眼窩外側上部に腫瘤を指摘された.同年2月当院眼科に紹介され,ABC施行された.低分化の癌種が疑われたが,組織型の特定は困難であった.PET-CT施行され,肝臓に多発腫瘍,腹膜播種,眼窩内腫瘍,骨転移,肺転移,リンパ節転移像を指摘された.原発巣は,眼窩内腫瘍もしくは肝臓腫瘍が疑われた.耳鼻科に紹介となり,3月全身麻酔下で,眼窩内腫瘍生検が行われ,低分化型肝細胞癌の転移と診断された.当科に転科となり,dynamic CT,腫瘍マーカー等の検査を行ったところ,肝は肝硬変の像であり,S4ドーム下の径48mm大をはじめ動脈相にて濃染される多発腫瘤を認めた.外側の腫瘍は上方の横隔膜に直接浸潤していた.肝門部,縦隔などのリンパ節に多発転移,肺転移を認め,両側胸水,腹水の貯留も認めた.HCC Stage4bと診断された.また,AFP 43092ng/ml,PIVKA36673mAU/mlとHCC関連の腫瘍マーカーは上昇していた.肝予備能はChild-pugh10点(GradeC)と不良であったため,best supportive careの方針となり,近医転院となった. |
索引用語 | 肝細胞癌, 転移 |