セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | O-15:ヘリコバクター・ピロリ除菌療法の当院での現況 |
演者 | 齊藤 俊介(福山市民病院 内科) |
共同演者 | 名和 徹(福山市民病院 内科), 友田 健(福山市民病院 内科), 辰川 匡史(福山市民病院 内科), 濱本 博美(福山市民病院 内科), 植木 亨(福山市民病院 内科), 遠藤 久(福山市民病院 腫瘍内科), 藪下 和久(福山市民病院 内科), 下江 俊成(福山市民病院 内科), 坂口 孝作(福山市民病院 内科) |
抄録 | 【背景】本邦においてヘリコバクター・ピロリ(以下HP)除菌療法の2000年11月に胃潰瘍、十二指腸潰瘍に保険適応となり、2013年2月にヘリコバクター・ピロリ感染胃炎が追加承認された。これによりほぼすべてのHP感染患者の除菌治療が可能となり、今後除菌療法の症例数は増加すると考えられる。ただしHP一次除菌療法の除菌率は2000年当初は90%強と考えられていたが、耐性菌の増加などの要因により、一次除菌療法の除菌成功率の低下が危惧されている。また現在除菌療法に用いることができるプロトンポンプインヒビター(以下PPI)間では除菌率に差はないと報告されているが、代謝経路の違いなどから新規薬剤は、より個体間での差がなく、安定した胃酸抑制作用を有するとされている。【目的】そのためどのPPIを用いれば、より効率的に除菌できるかを当院のデータを用いて検討した。【対象と方法】2011年10月から2012年12月までの期間に当院において一次除菌治療施行した154例のうち、除菌確認施行出来た125例を対象とし、retrospectiveに検討した。一次除菌治療の用法容量は各々のPPI推奨用量とアモキシリン1500mg、クラリスロマイシン800mgを7日間投与する、通常の除菌療法を施行した。除菌判定は除菌治療終了後に4週以上経過後に尿素呼気試験、便中ピロリ抗原法のいずれか、もしくは両方を用いて判定した。【結果】症例はエソメプラゾール33例、ラベプラゾール28例、ランソプラゾール64例であった。男性77例、女性48例、平均年齢は67歳であった。疾患は胃十二指腸潰瘍が最も多く63例(50.4%)、次に胃癌17例(13.6%)であった。全体の除菌率は88例が除菌に成功しており70.4%であった。各PPI別の除菌率では、ラベプラゾールが92.9%、ランソプラゾールが65.6%、エソメプラゾールが60.6%と有意差を持ってラベプラゾール使用群の除菌率が高値であった。【結論】当院での検討においては、一次除菌療法においてはラベプラゾールを用いた除菌が最も効率的と考えられた。 |
索引用語 | ピロリ菌, 除菌療法 |