セッション情報 一般演題

タイトル 42:

粘表皮癌と診断された肛門管癌の1例

演者 蔭地 啓市(呉市医師会病院 内科)
共同演者 松本 善明(呉市医師会病院 内科), 江木 康夫(呉市医師会病院 内科), 片山 紀彦(呉市医師会病院 内科), 住谷 大輔(呉市医師会病院 外科), 藤森 正彦(呉市医師会病院 外科), 奥川 浩一(呉市医師会病院 外科), 中塚 博文(呉市医師会病院 外科), 亀田 祐子(呉市医師会病院 放射線科), 大本 俊文(呉市医師会病院 放射線科), 谷山 清己(呉医療センター 中国がんセンター 病理診断科 )
抄録 症例は60歳代の男性。20XX年2月頃より排便時出血、肛門痛を認め、出血が持続するため、4月に近医を受診、直腸診にて腫瘤を触知したため、精査加療目的にて4月末に当院紹介受診となった。来院時の血液検査ではCEA、SCCといった腫瘍マーカーも含め、正常範囲であり、直腸診では肛門に腫瘤を触知し、出血を認めた。腹部造影CT検査では肛門から下部直腸右側に空洞と強い造影効果を伴う60mm大の腫瘤を認めた。注腸X線検査では肛門管の右側に深い陥凹性病変を認めた。大腸内視鏡検査では肛門管に潰瘍性病変を認め、生検にてGroup5(粘表皮癌)であった。進行肛門管癌と診断し、後日当院外科にて腹会陰式直腸切断術を施行、病理組織では肛門周囲皮膚から下部直腸にわたる肛門管癌 (type2, 60×60mm, mucoepidermoid carcinoma, pA, int, INFb, ly0, v1, pN2(5/24)), pPM0, pDM0, pRM0)であった。術後経過は良好であり、現在まで再発なく経過している。肛門管癌は大腸癌のなかで1%前後と頻度は少ないとされる。さらに、肛門管癌のうち粘表皮癌は稀な組織型であり、本邦での報告はほとんど認めない。今回、その稀な1例を経験したので、若干の文献的考察を含めて報告する。
索引用語 肛門管癌, 粘表皮癌