セッション情報 一般演題

タイトル 31:

特発性小腸穿孔の1例

演者 福本 康史(独立行政法人国立病院機構 岡山医療センター)
共同演者 大藤 嘉洋(独立行政法人国立病院機構 岡山医療センター), 古立 真一(独立行政法人国立病院機構 岡山医療センター), 松下 公紀(独立行政法人国立病院機構 岡山医療センター), 山下 晴弘(独立行政法人国立病院機構 岡山医療センター)
抄録 症例は80歳代男性。既往に糖尿病あり当院通院加療していた。2012年11月中旬、腹痛・嘔気が出現し当院救急外来を受診。便秘を疑われ下剤を処方されたがその後も腹痛の改善なく、6日後に当院を再診した。再診時、臍左方に圧痛を認めたが筋性防御等の腹膜刺激症状は認めなかった。血液検査にてWBC10500/ul、CRP5.01mg/dlと炎症反応の上昇を認め、腹部CTでは小腸間膜内に一部少量のfree airを認めた。小腸穿孔の診断にて同日入院となったが、症状が比較的軽く、外科Drと相談の上まずは保存加療の方針とした。しかしフォローアップのCT、小腸透視にて瘻孔の閉鎖を認めず、入院12日目に小腸部分切除術を施行した。術後は経過良好にて入院21日目に退院となった。諸家の報告によると小腸穿孔は消化管穿孔の4.7~17%を占めるにすぎず、経験することは少ない。原因としては外傷性、イレウス、悪性腫瘍、異物、Crohn病等が比較的多い。本症例は発症から画像検査、手術まで時間が空いており、検査所見や病理所見が修飾されている可能性はあるが、穿孔の原因は特定できず特発性小腸穿孔と診断した。小腸穿孔においても比較的稀な特発性小腸穿孔の1例を経験したため、若干の文献的考察を含め報告する。
索引用語 小腸, 穿孔