セッション情報 | 中国支部研修医奨励賞(卒後2年目迄) |
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タイトル | JR07:上行結腸憩室炎に続発した上腸間膜静脈血栓症の1例 |
演者 | 永原 蘭(山陰労災病院 内科) |
共同演者 | 前田 直人(山陰労災病院 内科), 森尾 慶子(山陰労災病院 内科), 角田 宏明(山陰労災病院 内科), 向山 智之(山陰労災病院 内科), 神戸 貴雅(山陰労災病院 内科), 西向 栄治(山陰労災病院 内科), 謝花 典子(山陰労災病院 内科), 岸本 幸廣(山陰労災病院 内科), 古城 治彦(山陰労災病院 内科), 山根 祥晃(山陰労災病院 外科), 野坂 仁愛(山陰労災病院 外科) |
抄録 | 上腸間膜静脈血栓症(SMVT)は比較的まれな疾患であリ、特異的な症状に乏しく早期診断が困難とされる.とくに炎症に起因した場合などには急速に進展して広範な腸管壊死をきたしうる.今回、CT検査で経過を観察できた上行結腸憩室炎に続発したSMVTを経験したので報告する. 症例は50歳代後半の男性.アルコール依存症で他院入院中、抗生剤不応の発熱が持続しさらに肝機能異常が出現したため、当院に紹介転院となった.転院時の腹部単純CTで上行結腸憩室炎および周囲膿瘍を指摘されたが、自覚症状、理学的所見に乏しく保存的に経過観察とした.第4病日より間欠熱、第7病日に右下腹部痛が出現したため腹部造影CTで再検したところ、回盲部膿瘍の増大および上腸間膜静脈から門脈にかけての血栓形成が認められた.憩室炎に続発したSMVTと診断し、同日よりTAZ/PIPC、ウロキナーゼ+ヘパリンの経静脈投与を開始した.腹膜刺激症状はなく全身状態は安定していたが、第15病日の腹部CTで膿瘍、血栓症ともに改善がみられず、これ以上の保存的加療は困難と判断し、第16病日に腹腔鏡補助下回盲部切除術を施行した.術後経過は良好で術後7日目に退院、ワーファリンの経口内服を継続し、約3ヶ月後の外来での腹部CTでは上腸間膜静脈の血栓は消失していた. |
索引用語 | 上腸間膜静脈血栓症, 上行結腸憩室 |