セッション情報 | 中国支部専修医奨励賞(卒後3-5年迄) |
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タイトル | SR16:メトロニダゾール投与治癒後に再発を来したアメーバ性大腸炎の1例 |
演者 | 頼田 尚樹(広島市立 安佐市民病院 消化器内科) |
共同演者 | 永田 信二(広島市立 安佐市民病院 内視鏡内科), 妹尾 慧(広島市立 安佐市民病院 消化器内科), 田中 秀典(広島市立 安佐市民病院 消化器内科), 齊藤 裕平(広島市立 安佐市民病院 消化器内科), 平野 大樹(広島市立 安佐市民病院 消化器内科), 高田 俊介(広島市立 安佐市民病院 内視鏡内科), 上田 裕之(広島市立 安佐市民病院 内視鏡内科), 脇 浩司(広島市立 安佐市民病院 消化器内科), 桑原 健一(広島市立 安佐市民病院 消化器内科), 木村 茂(広島市立 安佐市民病院 消化器内科), 辻 恵二(広島市立 安佐市民病院 消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】アメーバ性大腸炎の治療はメトロニダゾールが極めて有効であり、日本では再感染の機会が少ないため、再発症例は極めて少ないとされている。今回、治癒後再発したアメーバ性大腸炎の1例を経験したので報告する。 【症例】症例は7●歳の男性。平成21年6月に便潜血陽性を指摘されたため大腸内視鏡検査を施行した。虫垂開口部近傍に単発性のびらんを認めたが抗凝固薬内服中であったため生検施行せず終了とした。9月に抗凝固薬内服中止とし生検を施行し,赤血球捕食像を有するアメーバ栄養型を検出したためアメーバ性大腸炎と診断した。血清アメーバ抗体を提出したところIgG抗体価400倍,IgM抗体価は陰性であった。メトロニダゾール1500mg/dayを10日間投与した。同年12月の大腸内視鏡検査では虫垂開口部のびらんは消失し生検結果でもアメーバ虫体は認めず治癒と判断した。平成24年10月に黒色便を認め、上部内視鏡にて異常は指摘されなかった。同月に大腸内視鏡検査施行し盲腸に白苔を伴うたこいぼびらんを認めた。生検にて前回同様にアメーバ栄養型が赤血球を貪食する像を認めたためアメーバ性大腸炎の再発と診断しメトロニダゾール1500mg/dayを14日間投与した。血清アメーバ抗体を提出したところIgG抗体価800倍,IgM抗体価は陰性であった。【考察】アメーバ性大腸炎はメトロニダゾールにより治癒すれば、原虫の残存は考えにくいため再発の可能性は低いとされる。本症例で再発の原因としてアメーバ赤痢の再感染、cyst carrierからの再燃が疑われる。アメーバ性大腸炎の既往のある患者は治癒後も再発を来す可能性があることを考慮する必要があると考えられた。【結語】メトロニダゾール投与治癒後に再発を来したアメーバ性大腸炎の1例を経験した。 |
索引用語 | アメーバ性大腸炎, 再発 |