セッション情報 中国支部専修医奨励賞(卒後3-5年迄)

タイトル SR19:

内視鏡にて整復し得た急性短軸性胃軸捻転症の一例

演者 石原 俊太郎(鳥取県立中央病院 消化器内科)
共同演者 前田 和範(鳥取県立中央病院 消化器内科), 岡本 勝(鳥取県立中央病院 消化器内科), 柳谷 淳志(鳥取県立中央病院 消化器内科), 田中 究(鳥取県立中央病院 消化器内科)
抄録 【症例】60歳代、男性【主訴】腹部膨満、嘔吐【既往歴】脳性麻痺、腹部手術既往歴なし【現病歴】脳性麻痺にて身体障害者施設に入所中、2日前より嘔吐が出現、前日から心窩部痛が出現したため近医受診した.白血球とCRPの軽度上昇が認められたため感染性腸炎として投薬されたがその後も頻回の嘔吐が持続.平成25年6月X日の朝より腹部膨隆も著名となり当院紹介となった.腹部手術既往歴もなくCTにて著名な胃拡張を認め、胃の短軸軸捻転と診断した.入院後、上部消化管内視鏡検査を施行、胃内容を吸引、十二指腸水平脚まで内視鏡を挿入し捻転を解除、整復した。整復後も元々、呑気の傾向あり胃内ガスは貯留傾向だが嘔吐は消失、食事を開始、経過良好で退院とした。【考察】胃の生理的範囲を超えて回転した胃軸捻転症は比較的まれな疾患とされている.現在、その診断はCT検査の多断面再構成画像などでほぼ可能である。治療は胃管を挿入し減圧を測った後、上部消化管内視鏡を実施し、胃粘膜の観察と捻転解除を試みる。この度内視鏡にて整復し得た急性短軸性胃軸捻転を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する.
索引用語 胃軸捻転, 腹部膨満